京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

好きなのは八重それとも一重?

2020-06-25 07:07:05 | 園芸・植物・自然環境
花盛りが過ぎて散り始めている木もありますが、クチナシ(梔子)の花が爽やかな甘い香りを漂わせています。

庭木などに植えられているのはヤエクチナシ(八重梔子)のほうが多いのでしょうか。花はバラのような咲き姿にも見え、華やかですよね。こちらは小学校の校庭から顔を覗かせていたヤエクチナシの花ですが、ひょっとしたらオオヤエクチナシ(大八重梔子)かもしれません。




ヤエクチナシに対して清楚な咲き姿なのがクチナシでしょうか。凛とした咲き姿を見るとこちらも襟を正して観賞しようかなという気持ちになります。




このクチナシという和名の由来ですが、クチナシの果実が熟しても裂けたり弾けたりしないので「口無し」という意味や、果実の上部に残る萼を口(もしくは鳥の嘴)に見立てて細かい種子のある果実を梨としたことから「口梨」という意味の他、果実の突き出した部分が容器の注ぎ口に似ていることから「口成し」という意味だとする説など、諸説あるようです。

なお、先述のとおり日本ではクチナシを「梔子」と漢字表記しますが、お隣の中国では「山梔」と表記し、李時珍が著した中国の書籍『本草綱目』では名前の由来として「巵、酒器也。巵子象之、故名。今俗加木作梔」と記され、これは「巵は酒器である。巵の子(果実)がこれに象て(似て)いるから名付けた。今は俗に木を加えて梔と書く」という意味だそうです。

生薬名では「山梔子(さんしし)」と呼ばれることが多いようです。生薬として用いる果実は丸みを帯びているようで、よく見かける細長い果実は着色料として用いるのだそうです。


クチナシの果実(2018年12月撮影)

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