北大路通の高野橋西詰にある京都下鴨病院で、病院の西側を通る下鴨東通沿いに設けられた花壇を覆い尽くすように植えらえている植物が小さな赤い実をつけていました。常緑の葉と赤い実が、ちょうどクリスマスカラーで鮮やかです。
ぱっと見て勝手にヤブコウジ(藪柑子)だと思い込んでいたのですが、葉に細かい鋸歯は見られず全縁で、赤い実もきれいな球形というより少しぼこぼことしたかたちなので、ヤブコウジだとすると何だか違和感があります。
ちょっと調べてみたらチェッカーベリーという北アメリカ原産のツツジ科の常緑小低木のようです。私が見間違ったようにヤブコウジに似ているため、ヒメコウジ(姫柑子)という和名もあるようです。そして、匍匐性があることからグラウンドカバーにも利用され、6月から7月にかけてブルーベリーやドウダンツツジに似た花を咲かせるそうです。でもこれまでそのような花を見た記憶がなく、来年どのような花か確認する楽しみがひとつできました。
チェッカーベリーの実は萼が肥大して肉厚になったものだそうで、実の先端に萼の名残をとどめていて、くぼみがあります。赤い実のお尻を見てみると確かにくぼんでいて、この箇所もヤブコウジとするには違和感を持ったところですが、チェッカーベリーと判断する材料にもなりました。
この花壇に植えられているチェッカーベリーの実は1センチメートル前後の大きさでしたが、大きい実をつける品種だと1.5センチメートルほどになるそうです。夏の直射日光には弱いですが耐寒性もあり、湿度の高い環境を好むそうですので、真夏の日差しさえ気をつければ案外と京都では育てやすい植物なのかもしれません。
【2021年5月7日追記】
2021年4月に近くを通りかかった際に花が咲いていて、チェッカーベリーではなくコトネアスターであることが判明しました。