2か月ほど前の4月下旬にこちらの記事で雌花を紹介したクワ(桑)ですが、果実が赤く色づき、中には完熟した黒紫色の実もありました。
このように黒紫色で完熟した実は少なく、まだまだ赤く色づいた実ばかりでしたが、少しづつ熟し始めているようです。
さて、これはヤマグワ(山桑)かマグワ(真桑)かという判断をこの果実でしてみようと思い、花柱の残り方を見てみると、ひょっとしてマグワなのかな?
ヤマグワだと青々とした花柱がしっかり残り、黒紫色に熟しても残ったままで食べると口の中に残るという情報がインターネットでは見られますが、一個だけ失敬して完熟の実を食べてみるとそれほど残るような感じはしませんでした。
京都御苑で見たクワと比べると若い実に花柱が残っていないように感じましたが、個体差もあるかもしれませんのでヤマグワかもしれません。
ただし、この周辺一帯はおそらく賀茂氏の所領でしたでしょうし、養蚕を伝えた秦氏と姻戚関係にあった賀茂氏もおそらく養蚕技術を受け継ぎ、現在の京都府立植物園のある場所では奈良時代から養蚕が盛んだったと伝わっており、園の創設前からあり、園内に祀られている上賀茂神社(賀茂別雷神社)の境外末社の半木神社(なからぎじんじゃ)の祭神は養蚕や農業の神様の天太玉命です。どこかから養蚕のために植えられていたマグワの実生苗が生えてきたと考えてもおかしくないかもと思うと、やっぱりマグワ?