京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

モチノキの花

2019-04-04 07:07:22 | 園芸・植物・自然環境
京都では桜の名所の開花状況の話題でもちきりですが、他の植物にとっても「春」であるようです。相国寺の境内ではモチノキ(黐の木)の花が満開でした。




洪音楼という名のついた鐘楼近くの参道傍に植えられています。モチノキはモクセイ(木犀)とモッコク(木斛)とともに三大庭木として日本庭園には欠かせない樹種とされています。また、モチノキはモチノキ科モチノキ属に分類されますが、同属には「ハガキノキ」の名前でも知られるタラヨウ(多羅葉)の他、秋に赤い実をつけるソヨゴ(冬青)やクロガネモチ(黒鉄黐)などがあります。




モチノキは雌雄異株で、先に紹介した2枚の写真のモチノキは雄株です。雄花はたくさんつきますが、花弁が黄緑色と目立ちにくく、近づくと「何か咲いている?」という感じです。周囲に松の木が多いため、松の枯葉があちこちに引っかかっています。







中には白っぽい花も交じっていました。




樹皮はこんな感じです。この樹皮から鳥黐(とりもち)を採りますが、モチノキよりヤマグルマ(山車)という樹種のほうが良質の鳥黐が採れるそうで、両種ともに「トリモチノキ(鳥黐の木)」と呼ぶそうです。




雄株しか目に入らなかったので雌株はないのかしらと探してみたら、松の木を1本挟んだ隣に植えられていました。雌花は雄花に比べると咲いている数は少なく、遠目からは咲いているかどうかわかりにくいです。







昨年できた果実でしょうか。まだ残っていました。




なんとなく「桜ばかりでなく、私たちも花を咲かせているよ」と、さりげなくアピールしている感じでした。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 桃それともアーモンド? | トップ | 磯良神社の井保桜 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。