京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

『春告草』なぜ草なの?

2017-02-18 17:35:02 | 雑学・蘊蓄・豆知識
先日の植物園芸相談で『春告草』についての相談がありました。

「梅のことを別名『春告草』といいますが、樹木なのにどうして「草」というのですか」という相談(質問?)です。



植物園芸相談で使用している植物園会館の園芸サロンには、植物図鑑の他に植物の育て方や管理方法、病害虫対策などのさまざまな書籍や資料が誰でも見られるようになっているのですが、語源や園芸史に関する資料は見あたらず、インターネット等も利用して調べてみましたが、質問時には明確な回答が見つけられないまま、相談者に回答者の私見であることをお伝えしたうえで、草花や植物の総称として「草」を用いたのではないでしょうかと回答し、ひとまずは納得していただけました。



とはいえ、回答したほうがもやもやし、語源がわかる辞書などで「春告草」の他に「草」や「木」を調べてみましたが、得心できるようなものはやはり見つからず、インターネットでwikipedia の「草花」の項に広義で「花木」も含めるとありました。

花木といえば、梅はもちろん桜もそうですし、椿や山茶花も含まれるでしょう。これらは誰が見ても「木」だと思うでしょう.



でも、アジサイやツツジ、牡丹、沈丁花、山吹、萩などになってくるとどうでしょうか。それぞれ低木として扱われていますが、木と言われれば木だとも思いますし、たとえば萩は秋の七草として扱われていますので、草と言われれば草とも思うのではないでしょうか。



でも梅はやっぱり木ですよね……。

結局はわからずじまいだったのですが、『春告草』という言葉を使い始めた時代がいつ頃なのか、またその頃の日本人が草木や花をどのように見ていたのかについても思いが及び、言葉だけでなく日本人の植物に対する感性についても考えるきっかけとなった相談でした。また、春告草以外にも『初名草』『百花魁』『花の兄』など、梅の異名がたくさんあることも知りました。

なぜ『草』というか、ご存じの方はいらっしゃいますか?



→のちに語源がわかりました。その語源とは? (2020年2月18日追記)

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