生きているって言ってみろ。

　友川かずきと言う歌手をご存知だろうか、細かいプロフィールなんかは私も知らないのだけれども、聞くと感動する。ただ、聞いていると無言になり、ほんの少しの嫌悪感さえも感じられるようになる。
　でもすごいんだ、秋田出身のフォークシンガーで歌い方は、なんか銀座で酔っ払ってひねくれている、吉幾三みたい。けど痛い、痛すぎるんだ。言葉が突き刺さってくる。私は前に、自分で詩を作って唄っているお友達に「面白ぇなぁ、おまえは暗くなれば、哀しい事があればあるほど、辛い歌を聴いている」って言われた。そうなんだよなぁ、自虐的なまでにどっぷりとそんなのばっかり聴くようになる。森田童子、山崎ハコ、浅川マキ・・・でもねそんなのばっか聴いてると、なんか知らんけど元気になってしまう。決して比較対照で私よりも不幸だ、なんて感情ではない。心の底から笑えるようになってしまうんだ。前向きに生きようって。
　そんな中でもこの友川さんは素敵だ。サントリーのレッドかなんかを湯のみに入れて、泣き笑いしながら聴ける。一聴の価値はあるだろう。ちょいと手に入りづらいかもしれないんで、聴いてみたい方は『男、宇宙』と言うアルバムがよろしいかと・・・オムニバスで友川さん以外も、やっさん、由利徹さん、などなど、かな～りディープな人達ばかりなもんで・・・

　生きているって言ってみろ。　　　　

　ビッショリ汚れた手拭いを、腰にゆわえてトボトボと、死人でもあるまいに・・・
　自分の家の前で立ち止まり、覚悟を決めてドアを押す、地獄でもあるまいに・・・

　生きているって言ってみろ、生きているって言ってみろ、生きているって言ってみろ・・・・・

　ねぇすごいでしょう、もうぜ～んぶこんな感じ・・・