モーレンジ・・・の続き・・・
金色に輝く液体が私を待っている。テイスティンググラスが6つ。そのうちの4つがモーレンジ、あとの二つがアードベックである。
気持ちがはやる・・・ゴクリと咽喉がなる。並びとしては上段にニューポット(まったく熟成していない透明な、正確に言うとウィスキーになる前のウィスキー)その横に・・・「ザ・パーフェクト・テン」と呼ばれる10年、そしてアーチザンカスクと言う厳選された樽に詰められた逸品・・・そしてその下には・・・ミステリーなんちゃらと書かれた正体不明なもの、が用意されている「な・な・なんなんじゃこれは・・・」と蓋付きのテイスティンググラスの蓋ををとっとと外して匂いを嗅ぐ。ううん、何かの、多分ワインのウッドフィニッシュ。しかしそれがなんであるのかは・・・皆目見当が付かない。
そんなこんなをひとりニヤニヤとしながらしていると、Dr、ビル・ラムズデンが登場した。彼がグレン・モーレンジの蒸留総責任者。ヘリオット・ワット大学で醸造学を学び、卒業後には発酵技術の博士号までをも取得しているウィスキーの専門家なのである。その科学的な知識とウィスキーへの情熱で、今はモーレンジ、マレイ、アードベッグ蒸留所の統括所長で、全てのウィスキーの熟成管理、樽の選定責任者でもあり、ここ10年程モーレンジが力を入れているウッドフィニッシュも彼なくしては出来なかったのではないのであろうか、って程に偉い賢いお兄さんなんである。しかし、実際の彼は弁舌爽やかな好青年で偉ぶる所は一つも無く・・・澱みなく、非常に解かり易くモーレンジの説明をし始めたのだった。
最初はやはり・・・水のお話し。ちらと書いたようにモーレンジの仕込み水はターロギーの泉と言う所から取水している。100年以上の年月を掛けてゆっくりと石灰岩層と砂岩層を通り抜けて濾過されて、ただ、ウィスキーの仕込み水には非常に珍しいミネラル分が非常に豊富な硬水(普通多くの蒸留所は軟水を使用している)。それ故に、この泉をいかに彼等が大事にし重要視しているのか、なんてぇお話しを事細かく丁寧にしてくれる。すでにその時点で、飲み慣れているはずのモーレンジは3倍くらいに美味くなっていそうで・・・その芳香さえも豊かになってきているようだ。
その後はスワンネックのポットスティルのお話しになり、何故にこの長大なる(高さは実に5,14メーター)スティルが必要なのか・・・単純に風味の重い、雑味成分の多いところは上まで昇ってゆけない。それにより、よりピュアで繊細な蒸留液を抽出する事が出来るなんてな事をその歴史、スティルマンなんかの逸話を交えて説明してくれる。
そして話しはいよいよ佳境に入り・・・モーレンジお得意の、樽の、樹の話しになっていく。そうなんだよなぁ、先ほども書いたように、モーレンジはウッドフィニッシュという名前でいろいろな樹の、樽の影響を楽しめるラインアップを揃えてきた。ポート、シェリー、マディラ、バーガンディー、コート・ド・ニュイ、クラレット・・・本当にたくさんの個性的なものを世に送り出して私なんかをも愉しませてくれている。
しかし、お話しはその元になるモーレンジ本来の味わいを出すのにいかに気を使い研究を重ねているのか、って事に重点が置かれていた。私もはっきり言ってここまで詳しくは解からなんだ・・・アメリカのバーボンの古樽を使うって事と場所がミズーリーってのはなんとなく知っていたのだけれど、その中でもより時間をかけて育つ場所を選び樹を厳選する。そしてより多孔性の特質を持つものが選ばれそれによりより多くの液体が樽の、木材の中に入り込み樹の影響をたくさん受けた香り高い液体(ウィスキー)を抽出出来るのだそうだ。ましてその樽は2回しか使用されずに、その両方の特性を踏まえた上でヴァッティングされて、パーフェクト・テンになると言う。
ま・まずい・・・美味くなり過ぎる・・・実を言うとこの時点で我慢出来ずにちょいと飲んでしまった。そして・・・本当の事言うと睡魔に負けて、半分くらいは、眠ってはいなかったんですよ、眼ぇ瞑って、耳は、耳だけはちゃんと起きていましたから・・・・・この稿続く・・・次は私なりのテイスティングレポートの予定。
金色に輝く液体が私を待っている。テイスティンググラスが6つ。そのうちの4つがモーレンジ、あとの二つがアードベックである。
気持ちがはやる・・・ゴクリと咽喉がなる。並びとしては上段にニューポット(まったく熟成していない透明な、正確に言うとウィスキーになる前のウィスキー)その横に・・・「ザ・パーフェクト・テン」と呼ばれる10年、そしてアーチザンカスクと言う厳選された樽に詰められた逸品・・・そしてその下には・・・ミステリーなんちゃらと書かれた正体不明なもの、が用意されている「な・な・なんなんじゃこれは・・・」と蓋付きのテイスティンググラスの蓋ををとっとと外して匂いを嗅ぐ。ううん、何かの、多分ワインのウッドフィニッシュ。しかしそれがなんであるのかは・・・皆目見当が付かない。
そんなこんなをひとりニヤニヤとしながらしていると、Dr、ビル・ラムズデンが登場した。彼がグレン・モーレンジの蒸留総責任者。ヘリオット・ワット大学で醸造学を学び、卒業後には発酵技術の博士号までをも取得しているウィスキーの専門家なのである。その科学的な知識とウィスキーへの情熱で、今はモーレンジ、マレイ、アードベッグ蒸留所の統括所長で、全てのウィスキーの熟成管理、樽の選定責任者でもあり、ここ10年程モーレンジが力を入れているウッドフィニッシュも彼なくしては出来なかったのではないのであろうか、って程に偉い賢いお兄さんなんである。しかし、実際の彼は弁舌爽やかな好青年で偉ぶる所は一つも無く・・・澱みなく、非常に解かり易くモーレンジの説明をし始めたのだった。
最初はやはり・・・水のお話し。ちらと書いたようにモーレンジの仕込み水はターロギーの泉と言う所から取水している。100年以上の年月を掛けてゆっくりと石灰岩層と砂岩層を通り抜けて濾過されて、ただ、ウィスキーの仕込み水には非常に珍しいミネラル分が非常に豊富な硬水(普通多くの蒸留所は軟水を使用している)。それ故に、この泉をいかに彼等が大事にし重要視しているのか、なんてぇお話しを事細かく丁寧にしてくれる。すでにその時点で、飲み慣れているはずのモーレンジは3倍くらいに美味くなっていそうで・・・その芳香さえも豊かになってきているようだ。
その後はスワンネックのポットスティルのお話しになり、何故にこの長大なる(高さは実に5,14メーター)スティルが必要なのか・・・単純に風味の重い、雑味成分の多いところは上まで昇ってゆけない。それにより、よりピュアで繊細な蒸留液を抽出する事が出来るなんてな事をその歴史、スティルマンなんかの逸話を交えて説明してくれる。
そして話しはいよいよ佳境に入り・・・モーレンジお得意の、樽の、樹の話しになっていく。そうなんだよなぁ、先ほども書いたように、モーレンジはウッドフィニッシュという名前でいろいろな樹の、樽の影響を楽しめるラインアップを揃えてきた。ポート、シェリー、マディラ、バーガンディー、コート・ド・ニュイ、クラレット・・・本当にたくさんの個性的なものを世に送り出して私なんかをも愉しませてくれている。
しかし、お話しはその元になるモーレンジ本来の味わいを出すのにいかに気を使い研究を重ねているのか、って事に重点が置かれていた。私もはっきり言ってここまで詳しくは解からなんだ・・・アメリカのバーボンの古樽を使うって事と場所がミズーリーってのはなんとなく知っていたのだけれど、その中でもより時間をかけて育つ場所を選び樹を厳選する。そしてより多孔性の特質を持つものが選ばれそれによりより多くの液体が樽の、木材の中に入り込み樹の影響をたくさん受けた香り高い液体(ウィスキー)を抽出出来るのだそうだ。ましてその樽は2回しか使用されずに、その両方の特性を踏まえた上でヴァッティングされて、パーフェクト・テンになると言う。
ま・まずい・・・美味くなり過ぎる・・・実を言うとこの時点で我慢出来ずにちょいと飲んでしまった。そして・・・本当の事言うと睡魔に負けて、半分くらいは、眠ってはいなかったんですよ、眼ぇ瞑って、耳は、耳だけはちゃんと起きていましたから・・・・・この稿続く・・・次は私なりのテイスティングレポートの予定。
脳脊髄液減少症ってのは私も知っていました。ようやくいろんな所(保険屋)なんかでも認められるようになってきたのだけれども認定が難しいってのと、また、ほら、時間が経ってから発症するでしょ、因果関係がってのがね。ただ、怖いですよ。あれはねぇ。ある日突然ですもん。