子供騙し。

　結構にマセガキで口が達者だった私は、子供騙しと言うのが大嫌いな子供だった。デパートの大食堂に行った時、「う～ん、お子様ランチの旗とおもちゃがいい～」な～んて思っている時に父親が、「そんな子供騙し・・・」って呟くんです。
　そうすると、「そうか、子供騙しなんか、じゃ～刺身定食だ」なんぞと余計嫌味なガキを演じるはめに陥ったり、今はもう見る事がなくなった、縁日での見世物小屋にも一度だけ行き、「六尺五寸のおおいたち」な～んて看板と口上に騙され、大枚３００円を払って、入ってみたら、でっかい板に血糊がべったり・・・泣きそうになりながら、その後の蛇女とか、鶏食う人とかを見ながら「絶対に子供騙しには引っ掛からないぞ」って心に誓ったりしたもんでした。
　それがどうだろう、２０代の半ば位から子供騙しが大好きになった。プリンセス天功に万雷の拍手を送り、グリコのおまけに狂喜する。
　おまけに食い物まで嗜好が変わってきた。ゴルゴンゾーラのクリームソースパスタだ、なんにもしないペペロンチーノだとほざいていたのが、あれだけ馬鹿にしたコンビニのナポリタンに涙するようになった。

　前振りがながくなったんですが、ナポリタンとミートソースのお話しなんです。コンビニのでもソフト麺(知ってるかなぁ、給食に出てきたの)でもいいからナポリタンを皿に盛る、ただ欲を言えばこの時、醤油を一垂らししてフライパンで炒めつける事をお薦めするのだが・・・面倒なら省いてもらって結構。
　そいつの上にオムレツを半熟にしてのせる。勘所はこの半熟だけです。なれないと難しく思われるかも知れないけど、ようは多めのバターと火加減のみ、２～３回やればかなりのブキでも出来るようになります。
　そしたらこいつをナポリタンの上にのっけて大量のケチャップとタバスコでいただく。冬の夜、ストーブがシュンシュン言う暖かい部屋で、よっく冷えたビールとともにガンガンいただく。ほんわかと心まで童心に帰れる事、私が保証します。

　そしてそしてもう一品はもっと簡単。やきそば、マルちゃんとかの３袋１９８円みたいなのを、なんの具も入れずにフライパンで炒める。ただこの時、備え付けの粉のソースを半分、出来ればそれにウスターソースをたして、少し薄いかなくらいの麺だけのやきそばを作ります。
　それに温めた缶入りのミートソースをかけるだけ。ミートやきそば知る人ぞ知る、至高の子供騙しの逸品がそこに出来上がるのです。日曜の昼間、お子さんいる方はきゃつら騙しながら、自分のビールのあてにする。感謝されながら自分も楽しめる事うけあいである、これも私が保証します。ぜひお試しあれ・・・・・