オルヴァル・・・ベルギービール・・・

　清貧、貞潔、服従の３つの修道誓願を立てられない・・・私が頂く・・・

　なんとも不思議な気分になる・・・修道院トラピスト派(厳律シトー修道会）に伝わる伝統製法を忠実に守って造られ続けているビールの逸品・・・
　ベルギーにはこの他にもヴェネディクト派、シトー派(寛律シトー修道会）、ノルベルト派などの流れを汲むビールが存在している・・・しかし、これら全ての修道院では、あるものはフランス革命まで、一番最近でも第二次世界大戦までで醸造を止め、現在ではそのほとんどがライセンス生産により造られている。

　色は濃色にして薄く濁り・・・味はまったりと・・・ふ～ん、ありきたりな表現・・・液体には好ましくはない・・・フルーティー・・・なかなかいいなぁ・・・蜜のよう、それも蜂蜜なんかとはちょっと違う、果物の熟した物が持つような、最近とんと見た事がないって私が嫌いなだけだからなのだろうが、林檎の芯の近くにあるような、なんとも言えない、甘味と質量を液体が持っている。咽喉を過ぎる時にはある種のエグさを併せ持つ苦味が感じられ、飲んだ後にはスッキリとした水菓子ようのものが鼻に向かって帰ってくる・・・

　ガキの頃に飲んだ苦いビールに、その前になめていた飴っ玉の風味をのせたような・・・不思議で懐かしい味・・・美味いんである・・・私はナイトキャップビアーにする・・・しかし、例え美味くて飲み過ぎて、夜中にトイレに行きたくなったとしても、それは、私の関知するところではない・・・