so far, not so bad

"unselfconsciousness"

神のあばた

2018-11-25 19:20:55 | TV
評ではなく、好みについて書いているだけです。
今クールのドラマ『僕らは奇跡でできている』の話。

初回からかなり評判が悪く、あるサイトには、
主役の高橋一生が忙しすぎるから、人気のないドラマに出たらしばらく休めるんじゃない、
と、こういうこき下ろし方もあるんだと逆に感心するような事まで書かれていた。

最近のドラマだと世間の評判(というよりテレビ局か俳優側の話題作り)と、
見て自分が面白いと思えるものとは一致していないので、
そういうのを読んでもふぅんくらいにしか思わない。
書いている側も仕事でやっている訳で、
世評を敏感に読んでその流れに乗った文脈にしている所に、
ご苦労様です、と思うくらい。
その証拠に、先週の母の子を思う気持ちを描いた回に対しては早速、
「神回」
なんてタイトルが付いた記事が出ていた。

何かというとすぐに神対応だの神演奏だの神授業だのと「神」大安売りを始める。
どこかに書いたけど、日本には神様が一杯いるからね。
連れてくるには事欠かないのでしょう。

話を戻すと。
斜に構えると、登場人物たちは素直過ぎるとか安直だとか言われるかもしれない。
主人公の影響が徐々に伝播していく過程がそれほど劇的でないところが、
テレビドラマとしては盛り上がらない理由なのかもしれない。
(コンニャクイモがキーポイントになるドラマもそうそうないからね。)

ただ、そういうの含めて、個人的には好きなのです。
大げさに世界を救わなくても、小さな世界が救われてほっこりするのも好きなのです。

主人公の行動は
まったく別の某国営放送でやっていた発達障害の話で取り上げられていた状況に酷似しているので、
ある意味そういう描き方をしているのかもしれない。
※これについてはだいぶ脱線するのでまたの機会に。

その主人公の考え方や行動指針が、それに基づいたちょっとした一言が、
周りの人の気持ちの琴線に触れるのです。
問題を大きく解決しはしないけど、心の持ちようをちょっと変えるだけで、
毎日が違って見える、楽しく前向きに過ごせるようになる、
というような事が言いたいんじゃないかなと思って見ています。


でも、
例の「神回」の、少年の話の扱いが、個人的にはちょっと気になった。
勉強に身が入らないように見えていたのだけど、実はある種の病気だった、という片付け方。
この扱いには残念ながら気持ちが乗らなかった。
母親が自分の息子の行動を信じられなかった、その行動の原因を病気だとしてしまうと、
病気だったら仕方がないね、となってしまう。
現実であれば、気持ちのすれ違いや信頼の部分でのボタンの掛け違いなどが原因で
こうなっている事が、"良く"あるはずで、それが理由でお母さま方の支持も得て
「神」の扱いにもなっているはずなのに、
単純に病気だと片付けてしまっている気がして、ちょっと納得しづらかった。

ドラマ、だからね、と言ってしまえばそこまで。
でもちょっと残念なのです。

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