「それで何が訊きたいの?」
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大学院試は基本的に辛いことの方が多いですが、中には楽しいこともあります。
説明会や、研究室訪問はその一つです。
僕は、東大院と自分の大学の院の他にもう1つ大学院を併願していたため、その大学院の先生にメールを出し、そこの研究室にお邪魔することになりました。
いわゆる研究室訪問ですが、これは大学と大学院の入試の最大の違いだと思います。
大学は基本的に学力さえあれば入れるところが多いのに対し、院試は、(やはり学力試験の結果は重要ですが)お世話になる先生との相性も重要になってきます。
だから、外部の大学院を受ける学生は、事前にお世話になる先生に挨拶を兼ねてお話を聞きに伺います。これが研究室訪問です。
楽しくはありましたが、同時になかなか緊張するイベントでした。
いわばこれは0次面接です。粗相があってはいけないと気合いも入ります。
失敗しないよう事前にホームページの内容をよく見て質問を用意し、当日は新幹線で大学に向かいました。
実はこの大学にはオープンスクールで来たため圧倒されることはありませんでした。早く着いたので、少しまわりをうろつきながら、浮かんでくる記憶を懐かしんでいました。
そうこうしていると時間になって研究室に到着しました。
挨拶を軽く行い、開始2分、挨拶に伺った先生にいきなり訊かれたのが冒頭の言葉です。
文面だけ見ればもはや圧迫面接ですが、別に高圧的ではありませんでした。ただ寡黙な先生でいらっしゃったので、この質問が最初だったのだと思います。
だから別に帰りたくなったとかそういったことはありませんでしたが、僕は少ない知識で勝負しなくてはいけなくなりました。いきなりピンチです。
ホームページを見たなら大丈夫でしょう?というツッコミを頂きそうですが、そう簡単な話ではありません。
wikipediaで難しい学術用語を調べてみてください。例えば、ハーディ・ワインベルグの法則、ルベーグ積分、シュレディンガー描像などで知らない言葉があればぜひ調べて読んでみてください。そこから質問しろって言われてできますか?かなり難しいと思います。
当時の僕も似たようなものでした。大学4年生までいけばかなり詳しいことまで知ってるというイメージを持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、実際には4月に研究を始めたばかりの初心者です。ホームページをしっかり理解するにはまだ時間がかかるという段階でした。
しかし簡単すぎる質問はできません。やり方次第ではありますが、「この学生はこんなことも知らないのか」と思われるのはあまり得策ではないからです。
結局手元のメモの中から、これはまずいかな・・・と思うものを省きながら騙し騙し質問するという闇のデュエルが始まりました。
ただ、そんな状態でも知らないことを知るのは楽しかったです。
3年生まででやってきたことでは想像もできないような研究に、そんなこともできるのかと思いました。
質問には(手元を見る時間があるため)絶妙な謎の間があったものの、きっと目の煌めきでは他の学生に引けを取ることはなかっただろうと思いながら研究室を後にしました。
10分持つのか不安でしたが、結局50分ほどお邪魔していたと思います。
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