変更した部品は2つ
クランクとリアハブです。その目的は信頼性向上。
今回はそのクランクについて語ってみよう。
新たに使うことになったクランクはシマノのFC6600と言う2005年のアルテグラシリーズのクランクになります。エッヘン!と言った感じで、胸を張れる程、よく知ってるわけではありません。
アルテグラってのはシマノの自転車部品の2番目に高級なシリーズになります。トップはデュラエース、2番目がアルテグラ、3番目が105って感じ。
僕も詳しくなったなぁ。
ちなみに僕が乗ってるブリヂストンのレイダックにはExageと言う80年代にシマノに存在していたシリーズのクランクで、105ぐらいなのかな。。。
そう言う意味では、アップグレードになります…と言うか1989年のチャリに16年も新しい部品を付けたら、グレード関係なく、良くなるに決まってる。
なのですが、もうちょっと技術的に比較すると、クランク保持方法とクランクの重量が違う。
Exageの純正クランクはカップアンドコーンと呼ばれるタイプ…ママチャリと同じ。「ママチャリと同じで何が悪いんだ?俺はこれで乗る!」と言ってましたが、2年前に左クランクが壊れた時から、信頼性に不安を感じてました。
カップアンドコーンは自転車フレームのボトムブラケットシェルにベアリングを介して保持されたシャフトが左右に四角い形状になっていて、ペダルが付くクランクに開いた四角い穴に押し込むように接続されています。
スポーツチャリはクランクがアルミで出来てるので、鉄のシャフトに負けて変形しちゃう。抜き差しや日頃の使用によりアルミが強度以上の負荷を受けるんでしょうね。抜け止めのねじが付くのですが、左側は反時計回りで漕ぐので、ねじが緩んでクランクがポロリと取れてしまうのです。
どこか遠くにサイクリングへ行ったり…しかもそこが山だったり…クランクがポロリと落ちたら嫌だなと思っていました。
近くに自転車屋さんがあったとして、クランクの替えは無いんじゃないかなぁ…暫定的にママチャリの鉄クランクが付くんだろうなぁ。
それに対して、現在のスポーツチャリは、デコボコとスプラインが切られていて、これを合わせるタイプになってます。
しかも右側のクランクはこの通りシャフトと一体。すごーい!わかってるねぇシマノ。と言うか、30年前からちゃんと熱心に信頼性向上に取り組まれていたのだと思う。
今回新しくする(中古だけど)クランクはホローテックⅡと言うシマノの規格で、2004年のデュラエースに採用されて以来、現在のスポーツチャリで広く使われている、いわゆる傑作クランクシステムだ。
シャフトは右クランクと一体化されています。そのシャフトを保持するボトムブラケットがこれまた一工夫されています。
従来のカップアンドコーンが収まる自転車フレーム側にもちゃんと適用される。カップアンドコーンは自転車フレーム側の筒(シェル)の内側のねじに収まるのに対して、ホローテックタイプは筒より左右に飛び出る。
この飛び出たところにベアリングが入ってるので、左右のベアリングの距離が離れるのと、回転するシャフトのサイズを太く出来るため、回転抵抗を減らすことが出来るのです。
カップアンドコーンタイプのクランクと自転車フレームの間に存在する隙間…言ってみればデッドスペース…を上手く使った構造がホローテックの技術的工夫で、シマノの大発明なんだなと思ってます。
今やスポーツチャリではホローテックⅡが当たり前なんですが、当然ホローテック1…あえて「1」を付けました…もあります。ホローテック1は、右のクランクとシャフトは別体になっていまして、デッドスペースを有効活用したシャフトの保持方法のみがホローテック1で採用された構造になります。
ホローテックのホロー:Hollowとは中空と言う意味で、シャフトに穴が開いてるからかなぁと勝手に思っていたのですが…いやいや、それだけじゃなくて、クランクの中も中空なんです。
クランクは鋳物で出来てますが、この中は空洞になっていまして、鋳造時に砂を入れて、造形後に砂を抜く穴が隠されています…
このホローテックについて特許を調べてみると1997年12月19日に空洞にする発明やデッドスペースを使ったシャフト保持機構などを含めて4件ぐらいのアイデアを同時に申請しているのを見つけました。このアイデアを固有の技術として強固に権利化するシマノの強い意思を感じる。いわゆる戦略的に権利化を進め、特許包囲網を構築してたとも言えます。
特許公報(特許-3284093)に【発明が解決しようとする課題】自転車を軽くしかも強くするように繰り返し再設計されている自転車の部品の1つとして、自転車用クランクアームがある。各自転車
は1対の自転車用クランクアームを有しており…と記されている。
軽くても強い。相反する性能を満たすアイデア。素晴らしい。
ちなみにホローテックⅡの特許は2003年2月18日に出願されている特許-3708526だと思います。私が調べた範囲では、こちらは周辺特許獲得も狙っていたようですが、これだけのように見える。その後も現在のホローテックⅡに乗っかる小改良の発明はあるように見えますが、ズバリなのは特許-3708526に見えます。
ちなみに今年で20年経っちゃったので、特許切れで真似してもOKになっちゃいました…何か対策してるのかは不明。
とは言え、敬意を表してホローテックⅡを使わせてもらいます。
規格化されてるから当たり前なのだが、1989年製のスポーツチャリに技術的に新構造の2005年製のクランクが取り付くことに感動してます。
まだまだ語りたいことはありますが、本記事はここまで。
クランクとリアハブです。その目的は信頼性向上。
今回はそのクランクについて語ってみよう。
新たに使うことになったクランクはシマノのFC6600と言う2005年のアルテグラシリーズのクランクになります。エッヘン!と言った感じで、胸を張れる程、よく知ってるわけではありません。
アルテグラってのはシマノの自転車部品の2番目に高級なシリーズになります。トップはデュラエース、2番目がアルテグラ、3番目が105って感じ。
僕も詳しくなったなぁ。
ちなみに僕が乗ってるブリヂストンのレイダックにはExageと言う80年代にシマノに存在していたシリーズのクランクで、105ぐらいなのかな。。。
そう言う意味では、アップグレードになります…と言うか1989年のチャリに16年も新しい部品を付けたら、グレード関係なく、良くなるに決まってる。
なのですが、もうちょっと技術的に比較すると、クランク保持方法とクランクの重量が違う。
Exageの純正クランクはカップアンドコーンと呼ばれるタイプ…ママチャリと同じ。「ママチャリと同じで何が悪いんだ?俺はこれで乗る!」と言ってましたが、2年前に左クランクが壊れた時から、信頼性に不安を感じてました。
カップアンドコーンは自転車フレームのボトムブラケットシェルにベアリングを介して保持されたシャフトが左右に四角い形状になっていて、ペダルが付くクランクに開いた四角い穴に押し込むように接続されています。
スポーツチャリはクランクがアルミで出来てるので、鉄のシャフトに負けて変形しちゃう。抜き差しや日頃の使用によりアルミが強度以上の負荷を受けるんでしょうね。抜け止めのねじが付くのですが、左側は反時計回りで漕ぐので、ねじが緩んでクランクがポロリと取れてしまうのです。
どこか遠くにサイクリングへ行ったり…しかもそこが山だったり…クランクがポロリと落ちたら嫌だなと思っていました。
近くに自転車屋さんがあったとして、クランクの替えは無いんじゃないかなぁ…暫定的にママチャリの鉄クランクが付くんだろうなぁ。
それに対して、現在のスポーツチャリは、デコボコとスプラインが切られていて、これを合わせるタイプになってます。
しかも右側のクランクはこの通りシャフトと一体。すごーい!わかってるねぇシマノ。と言うか、30年前からちゃんと熱心に信頼性向上に取り組まれていたのだと思う。
今回新しくする(中古だけど)クランクはホローテックⅡと言うシマノの規格で、2004年のデュラエースに採用されて以来、現在のスポーツチャリで広く使われている、いわゆる傑作クランクシステムだ。
シャフトは右クランクと一体化されています。そのシャフトを保持するボトムブラケットがこれまた一工夫されています。
従来のカップアンドコーンが収まる自転車フレーム側にもちゃんと適用される。カップアンドコーンは自転車フレーム側の筒(シェル)の内側のねじに収まるのに対して、ホローテックタイプは筒より左右に飛び出る。
この飛び出たところにベアリングが入ってるので、左右のベアリングの距離が離れるのと、回転するシャフトのサイズを太く出来るため、回転抵抗を減らすことが出来るのです。
カップアンドコーンタイプのクランクと自転車フレームの間に存在する隙間…言ってみればデッドスペース…を上手く使った構造がホローテックの技術的工夫で、シマノの大発明なんだなと思ってます。
今やスポーツチャリではホローテックⅡが当たり前なんですが、当然ホローテック1…あえて「1」を付けました…もあります。ホローテック1は、右のクランクとシャフトは別体になっていまして、デッドスペースを有効活用したシャフトの保持方法のみがホローテック1で採用された構造になります。
ホローテックのホロー:Hollowとは中空と言う意味で、シャフトに穴が開いてるからかなぁと勝手に思っていたのですが…いやいや、それだけじゃなくて、クランクの中も中空なんです。
クランクは鋳物で出来てますが、この中は空洞になっていまして、鋳造時に砂を入れて、造形後に砂を抜く穴が隠されています…
このホローテックについて特許を調べてみると1997年12月19日に空洞にする発明やデッドスペースを使ったシャフト保持機構などを含めて4件ぐらいのアイデアを同時に申請しているのを見つけました。このアイデアを固有の技術として強固に権利化するシマノの強い意思を感じる。いわゆる戦略的に権利化を進め、特許包囲網を構築してたとも言えます。
特許公報(特許-3284093)に【発明が解決しようとする課題】自転車を軽くしかも強くするように繰り返し再設計されている自転車の部品の1つとして、自転車用クランクアームがある。各自転車
は1対の自転車用クランクアームを有しており…と記されている。
軽くても強い。相反する性能を満たすアイデア。素晴らしい。
ちなみにホローテックⅡの特許は2003年2月18日に出願されている特許-3708526だと思います。私が調べた範囲では、こちらは周辺特許獲得も狙っていたようですが、これだけのように見える。その後も現在のホローテックⅡに乗っかる小改良の発明はあるように見えますが、ズバリなのは特許-3708526に見えます。
ちなみに今年で20年経っちゃったので、特許切れで真似してもOKになっちゃいました…何か対策してるのかは不明。
とは言え、敬意を表してホローテックⅡを使わせてもらいます。
規格化されてるから当たり前なのだが、1989年製のスポーツチャリに技術的に新構造の2005年製のクランクが取り付くことに感動してます。
まだまだ語りたいことはありますが、本記事はここまで。
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