花と文。(暮らしと本と花と)

日々の心に残る記しておきたいこと。

春の中の青。

2015年04月13日 | ひとりの芸術家
昨日、東山魁夷の絵について、それに詳しい方が数名、彼の絵について語る場所に
偶然居合わせた。耳をそばだてて、聞き逃さないようにしていた。

「彼はさみしい人だね・・・、ほんとにこの青、さみしい。」
彼が50歳を過ぎて、北欧を旅した時のエッセイのようなものの中に
郷愁が湧いた・・・そういう記述があり、それについても
「何がどうというのではなく、人間本来持っているもの。誰でもそういうのが、ふっと湧くことあるでしょう・・・」

無駄のない語り口の、その詳しい方の話に引き込まれる。

そして、その後に、自分で改めてじっくりと考えてみる。
色んな情報があった上での解釈。
情報は必要なのかな。
いや、わかりません。なくてすんなりと受け止めてみるほうが好きだったり。
そして、そののち、背景を知るとまた深く観ることができる。

先日、彼にまつわる本を読んだ。
かつて私が思っていたのと、その本の内容とは少し違う印象を受けた。
感受性の度合いが桁外れであるだろう、その芸術家は一瞬、一瞬、感じることが変化していくのだと考える。
そのきめ細やかな世界は、鈍感である私たちには到底想像できないのではないか。
でももしかしたら、実際は、そこに差異はなくて
それを表現することに長けていて、そしてその技術が人並外れている・・・。
すべてを持ち合わせたことが、後世にまで残すほどに絶賛されることの条件になる。
そして、人と同じ、似たものはないということ。

独特の青の小さな作品が複数枚ならんでいる。
タイトルもそれぞれに。
タイトルを見ないで、絵を一枚、一枚見て、そのあとにタイトルを見てみる。

表現するとは、こういうことかと。
才能というものを考えると感激する。


静けさ
自然の中の静けさは
無になっていく

やわらかな曲線
深く澄んだ、そして自然の中の緑を混ぜたような青。

落ち着く気持ちになるのは、自然の中にいる
原始的な何か懐かしさがそこにあるからなのかなと
私は、そこに辿りついたのだった。

~・~・~・~・~・

そういえば、少し前に
ジブリの「風立ちぬ」を観ました。
私はすごく好きでしたね。
最後の最後の場面では、ぐっときて・・
才能とそれを見出された人間と時代に巻き込まれていく偶然が見事に描かれていた。

その気持ちを探るように観終わって
感動しましたね。
やはり、宮崎駿監督の映画が純粋に好きなのでしょうね。
きれいに描かれているもの
大賛成なのです。
芸術とは、そういう部分がメインで良いと思うので。

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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (momo)
2015-04-14 08:22:39
こんにちは。「落ち着く気持ちになるのは、自然の中にいる原始的な何か懐かしさがそこにあるからなのかな」という部分に惹かれました。
 人によって 落ち着く気持ちになるもの・・・が違うと思いますが、懐かしさというのかな 居心地の良さ そういうものを心にやんわり与えてくれる、だから絵を見るのは好きですね。
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Unknown (lily)
2015-04-14 17:34:34
momoさん

こんにちは。コメント、ありがとうございます(^^)/

そうですね。わかります。絵を見ると、心がしんとなるというか、本来のあるがままの自分に戻れるのもあって、好きなのもあります。
静かな場所で、自分ひとり浸るのが何より好きな時間ですね。
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