出合いというものは、侮れないなって思う。
良い出合いをしたのなら、(たとえどういう形であったとしても。それは本であることもあるだろうし、映画や、勿論、親や他人でも)
その人はその一瞬で変わることがある。
ずっと昔、母がそんなことを言った。「人生なんて一瞬で変わることがある」その一言が
すんなりと心に入ってきて、そうだなって思ったのだった。
うつむく青年
谷川俊太郎
うつむいて
うつむくことで
君は私に問いかける
私が何に命を賭けているかを
よれよれのレインコートと
ポケットからはみ出したカレーパンと
まっすぐな矢のような魂と
それしか持っていない者の烈しさで
それしか持とうとしない者の気軽さで
うつむいて
うつむくことで
君は自分を主張する
君が何に命を賭けているかを
そる必要もないまばらな不精ひげと
子どものように細く汚れた首すじと
鉛よりも重い存在と
そんな形に自分で自分を追いつめて
そんな自分で自分を組織して
うつむけば
うつむくことで
君は私に否という
否という君の言葉は聞こえないが
否という君の存在は私に見える
うつむいて
うつむくことで
君は生へと一歩踏み出す
初夏の陽はけやきの老樹に射していて
初夏の陽は君の頬にも射していて
君はそれには否とはいわない
・・・・
初めてこの詩を読んだ時の鮮烈な印象を今でも覚えている。
最初から、出来上がってしまって器用に生きているのはどうかなとも思える。
でこぼこだらけの、まったく何ものにも見出されることもなく
磨かれていないけれど、そこには未知の可能性を感じさせる何かを放ち
ぶつかりながら、いつしか思慮する大人になっていく。
それに気づくのは、成熟した大人だけであり、気づく大人が必ずいる。
そんな若者に出合うと、きっとこれからの世の中大丈夫だなって思うことがある。
まっすぐなまなざし
未知数であるからこそ期待してしまう
諦めきれない私たちの心が
躍動してしまうとき
谷川さんの詩には
そういう願いが込められている
私はそんなふうに、感じている。
十日前のベランダの花です。
暖かい、寒い、暖かい、寒い・・・・そして今日は暖かい日、何日目でしょうか。
春の移り気なお天気ですね。
明日は雨のようです。
ほんとは、晴れの日がお休みがいい。
なかなか、そうはなりませんね。
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