( 創作の原点「ふかいことをおもしろく」 井上ひさし PHP研究所 )
いつも、その1行に導かれるように、本を借りたり、買ったりする。
いつだったか忘れたけれど、井上ひさしさんの言葉で好きな言葉があり
心に留めてあったもの。
それを図書館で見つける。
NHKBSハイビジョンで2007年に放送された番組
「100年インタビュー 作家・劇作家 井上ひさし」をもとに原稿を作成し
単行本化したものであります。巻末のページに記されていた。
たぶん、そのインタビューの再放送を見て、心に残った言葉だったのだと思う。
~僕の芝居には必ずといっていいほどユーモアや笑いが入っています。
それは、笑いは人間がつくるしかないものだからです。
苦しみや悲しみ、恐怖や不安というのは、
人間がそもそも生まれ持っているものです。・・・・・・
この「生きていく」そのものの中に、
苦しみや悲しみなどが全部詰まっているのですが、「笑い」は入っていないのです。
なぜなら、笑いとは、人間が作るものだからです。それは、一人ではできません。
そして、人と関わってお互いに共有しないと意味がないものでもあります。
・・・・笑いは、人間の関係性の中で作っていくもので、僕はそこに重きを置きたいのです。
人間の出来る最大の仕事は、人が行く悲しい運命を忘れさせるような、
その瞬間だけでも抵抗出来るようないい笑いをみんなで
作り合っていくことだと思います。
人間が言葉を持っている限り、その言葉で笑いを作っていくのが
一番人間らしい仕事だと僕は思うのです~
中より抜粋
本を見つけるとき、決まっていつもこんなところから始まる(1行に惹きつけられて)。
なんだか気になる文章
始まったら、最後読み切るまで一気に行く(捗らない時はそこまで好きではないのだ)。
そんな本に出合うこと
それは、本が好きなことの最大の理由なのではと
思ったのだった。