春ハ別レノ季節ナリ

　
以前から遠からずそうなる、と確信していた、その日がやってきた。

「富士重、軽自動車生産から撤退」の知らせ。

これで、国民車スバル360の登場以来、営々と積み重ねられてきた、富士重の軽自動車の歴史が終わることになる。
大方の予想通り、今後、スバルブランドの軽自動車は、ダイハツからOEM供給されることになりそうだ。

実際問題、今のダイハツの軽の出来は素晴らしい。
ボク自身、今、フツーの人に勧めるならダイハツ車を勧めるし、ウチの実家もそうなった。
経済的で信頼でき、毎日の足として使える。
そういう以前からの軽自動車としてみれば、多くの人にとってダイハツ製で何の問題もないのだ。

これからの富士重は、このところトヨタが苦手としてきたスポーツ性の高いクルマ開発や、その生産を担っていく存在になるのだろうと言われている。

ならば、だ。

軽自動車から単なる経済性という枠を取り払ったクルマの開発のチャンスをぜひ、このメーカーに与えて欲しいと願う。
コペンがどこまで行ってもスペシャルティな存在になりきれず、カルディナやブリットが寄ってたかってもレガシイを凌駕できなかったというこの事実。

ならば近い将来必ず求められる、高品質で趣味性に富み、何より走って楽しい超コンパクトカー（それは必ずしも軽でないかもしれないけれど）は、富士重にこそ生み出しうると思うのだ。

その日が来るまでは……R2と一緒に走り続けたいと願うこの夜更けなのだった。