最近TOB(株式公開買い付け)が増えているなあ…と感じていましたが、実はTOBの失敗例が増えていえるようです。
先日、知人が持っているベネッセの株が公開買い付けになると告示されたのですが、現在株価は公開買い付けの値以上に値上がりしています。まだ値上がりするかもしれません。
TOBに失敗した例では、TOB時の株価は公開買い付け価格より1割ほど高かったそうです。誰が株の値段を上げているのかというと、旧村上ファンドなどの「物言う株主」です。TOBに失敗した焼津水産化学工業や寺岡製作所は、TOB価格で計算したPBR(株価純資産倍率)が0.5〜0.7倍でした。つまり、会社を清算し全資産を返した方が株主のリターンが大きい状況だったのです。物言う株主としては「そんな安値で公開買い付けをして株主を損させるつもりか!!」というところでしょう。
さて、自分の持っている「グローセル(9995)」も2月にTOB予定となりました。発表当日11/28はストップ高です。まあ、元の株価が440円ぐらいなので、TOB価格の645円までは上がると思いますが、これを超えて上がるとなると「物言う株主」の存在が見え隠れしてきます。現在の株価547円での予想PBRが0.6倍なので、PBR1を超えないTOBでは「物言う株主」から株主軽視だと責められる餌食となるかもしれません。