
池ノ平山・烏帽子ヶ岳(いけのたいらやま 2327m えぼしがだけ 2194m) 天気:曇り/晴れ
開通した三遠南信道路を引佐から鳳来まで使ってR151を北上する。長野県に入ると阿南町あたりかなぁ、夜間通行止めで狭い迂回路に回されたが、思ったよりも早く抜けてR151に戻ると、自宅から2時間強で飯田側の三遠南信道路に入った。迂回が無ければ以前より20分は短縮できそうだ。中央高速に乗ると南アルプスは見えているが、中央アルプス側はガスっていて山が見えない。松川ICで高速を降りて鳩打峠に向かう。駐車場には先着は0台。少し先の路肩に1台だけ停まっていた。簡易トイレの有る上の駐車場に車を停める。
↓駐車場
準備していると沢山の車が上がってきて下の駐車場がいっぱいになってしまった。車からぞろぞろと降りてきたのは子供達だ。引率らしい大人の人に話を聞くと、地元の高校の山岳部の大会が行われるらしい。おっと、ならば急いで出発しよう。駐車場の直ぐ先が登山口だ。標識に従って新登山道を進む。気温は低いが、朝のうちはまだ陽が出ており、歩き始めれば直ぐに暑くなる。
↓登山口
笹原に落葉松林の道をジグザグに登っていく。所々にミツバツツジが咲いている道は、30分弱で小八郎岳への道を分岐する。今日は先が長いので巻き道を進む。巻き道は1ヶ所急な登りが有るが、20分余りで小八郎岳からの道と合流する。ここに烏帽子岳までの10分の3の標識が有る。道は刈り払われた笹原を、登ったり水平に進んだりしながら続く。崖の縁は新しい道が出来ており、ロープが張ってあるがチョッと歩きにくい。
↓笹に落葉松の道
朝のうちは晴れ間も有ったのに、すっかりガスってしまって、結構寒い。笹にも水滴が付いて、足に触れると裾や靴を濡らす。飯島ルートの分岐に着いたらスパッツをはこうか。
↓飯島ルート分岐(七合目)
飯島ルートとの分岐は七合目の標識が有る。飯島ルートの標識には登り170分と書かれた下に105分と書き直されている。スパッツはカインズで買った農作業用の安物を持ってきた。安いだけ有って、5~6回使ったのでそろそろとアウトだが、泥除け用ならこれで充分だ。
スパッツを履いたら靴ひもを結びなおして出発する。標識は七合目だけどまだ半分を少し過ぎた位いで、まだまだ先は長い。出発するとすぐに深いナギの渕を通過する。その先でここにだけ道脇にバイカオーレンが咲いていた。分岐を出発して1時間、大岩をまいて尾根に戻ると、やっとガスの向こうに烏帽子岩が見えた。
↓烏帽子岩
烏帽子岩の基部に巻き道と直登ルートの分岐が有る。前回は見上げただけであきらめたが、今日は直登ルートで登ってみた。見た目は急だが、最初の岩を乗り越えてしまえば難なく烏帽子岩の頭に登ってしまう。てっぺんには男性2名が先着していたが、高校生大会のスタッフの方の様だった。
↓直登ルート
烏帽子岩からは抜群の展望のはずだが、回りは真っ白で足元の尾根しか見えない。後ろには烏帽子ヶ岳の山頂がすぐ近くだ。山頂側のコルへは楽勝で降りて、無人の烏帽子ヶ岳の山頂には3分で到着した。
↓烏帽子ヶ岳山頂
烏帽子ヶ岳の山頂からも全く展望は効かない。ここからの展望を楽しみにしていたのに残念だ。すぐに大きなリュックの男性が到着した。念丈岳まで日帰りで行かれるとの事。時間はまだ10時前だ。自分も、あわよくば念丈まで行かれるかと思っていたが、あわが良いかも知れないぞ。
↓池ノ平山への縦走路
コルに降りると残雪が道を覆っている。すぐ先の大岩を右に巻いて尾根へ登り返すところで、道が凍っていてアイゼンが無いとチョッと厳しい(1m位い登って落ちました、えへっ)。トラロープが下がっているがコブが無いし、たとえ登れても下りが命がけだ。横の斜面もとても登れそうも無い。少し戻って、さぁてどうしようかと迷っているうちに、烏帽子ヶ岳の男性が到着されたので、「この先凍ってんねん」と説明すると、12本を取り出してさっさと登ってしまった。それではと、試しに大岩の左を巻いて岩に取り付いたら、上まで登れそうだったので、岩を直登してその先で登山路に合流する事ができた。
↓左、コルから残雪 右、たったのこれだけが登れない
20~30分もうろうろしてしまっただろうか(優柔不断だなぁ)。だが、この20~30分でガスが晴れてきた様だ。登山路に合流した先の岩場から池ノ平山の山頂が見えた。う~ん、そんなに遠くは無いな。
↓尾根から池ノ平山
笹の上に残雪が乗った尾根上を進む。樹林帯に入ると所々で夏道が現れ、笹が刈られているのがわかる。しかし、夏道はここまでの道よりも格段に細くなる様だ。やがて、池ノ平山山頂下の斜面にかかると全面の残雪の登りになる。布靴でざらめ雪に蹴り込むと足が痛いしぃ、雪が浸みこんで来てそろそろ靴下まで濡れてきてしまったよ。
↓左、夏道が出てたり 右、山頂手前は残雪斜面
滑るは踏み抜くはでひぃひぃ言いながら、残雪の斜面を登りきると池ノ平山の山頂に到着した。一面の雪だが、左下に3畳程の雪が解けた地面が露出している。ちょうど刈り払われた笹原の部分だが、雪解けで地面は湿っている。
↓池ノ平山山頂
山頂に着くと頭上には青空が広がっている。陽が出たら残雪の照り返しがまぶしい。山頂は低い針葉樹に囲まれているが、南側に恵那山とピラミッドの山が見えている。このピラミッドを念丈岳だと勘違いして、「うはーっ、遠いなあ、夏道でも無理だろうなぁ」と思ったのだが、どうもあれは安平路山の様だ。途中で追い越された12本の単独者が昼飯を広げていた。山頂はだだっ広いが雪が消えたら一面の笹原だろうか。
↓左に恵那山、正面は安平路山でしょう
山頂の右手の端に立てば中央アルプスの越百山あたりからガスが掛かっているのは仙崖嶺かな。山頂に掛かったガスはなかなか晴れない。山頂の左の端に行けば南アルプスが見えそうだが、こちら側はまだガスが掛かっていて見られない。12本の単独者はサブザックを背負って念丈へ向かって出発した。自分は、靴に浸みた雪が靴下まで濡らしてしまったしぃ、安平路山を念丈だと勘違いしていてとっくにあきらめていたので、昼を喰ったらここで引き返すことにした。
↓越百山と仙崖嶺でしょう
山頂から降り始めるとすぐに単独のお若い女性とすれ違う。チョット、こんなコースには場違いな感じの爽やかな美人女性ソロだなぁ。。あっ、山頂にザックがデポされてますが、1人念丈に向かっていますよ・・と、、言いそびれました。
烏帽子ヶ岳の先の岩場に戻れば、天候は回復して伊那谷の向こうに南アルプスが現れている。しかし山頂部は雲に覆われていて見えないのが残念だ。中央アルプスはずっと雲が掛かっていて全く見えない。往路で登れなかった例の凍った斜面は下らずに、再び大岩を巻いて烏帽子ヶ岳に戻った。
↓烏帽子ヶ岳対面の岩場から烏帽子ヶ岳と南アルプス
烏帽子ヶ岳の山頂には伊那市と浜松の単独者の方がおり、少し話しをさせていただいた。伊那市の方によると、今年は雪自体は少ないが、気温は低いだろうとの事。確かにそんな感じですね。しばらく南アルプスを眺めていたが、山頂部の雲は取れそうも無いので、そろそろ降りることにする。
↓烏帽子岩から登山路の尾根
下りの途中で、池ノ平山の帰りですれ違った単独の美人女性に追い越された。この方は池ノ平山のさらに次のピークまで行かれたとの事。いや、、それは、早いですね。帰りは小八郎岳に寄ってみる。南アルプスを覆っていた雲が取れて、大パノラマが広がっていた。
↓小八郎岳からの南アルプス これですよ → パノラマ
駐車場に戻ると、大会の車は全て消えていた。そういえば、出発以降は高校生に会わなかったなぁ。
今日は、あわよくば念丈まで行けるか、と、軽量化したのが大失敗だった。一番はハイキング用の布の登山靴をチョイスしたところだ。それでアイゼンも置いて行ってしまったし。5月中旬の2300mで残雪が無いわけが無いのに、、何考えてんだか、、いやぁ何にも考えてなかったということ・・あわよくばと、あわくって出発して、あわれかな、ってか、、あはっ!!
TIME カシミール
鳩打峠(6:15)→七合目・飯島ルート分岐(8:30)→烏帽子ヶ岳(9:55)→(11:20)池ノ平山(12:10)→(13:00)烏帽子ヶ岳(13:35)→(15:35)小八郎岳(16:00)→(16:30)鳩打峠 145km 3h 迂回路が無ければさらに10分短縮。大和金トンネルは狭い。