9月になりました

9月になり、日本はほとんどの学校で新学期を迎えました。
私もそろそろNYCに戻ります。
子どもは日本が大好きなので、いつものことながら
「ニューヨークはいやだ～いやだ～、日本にいる～！」とブチブチ言っております

日本に毎夏長期滞在する理由のひとつは、夫が子どもを夏のNYCに置いておくのを嫌がる、
ということがあります。
確かに、NYCの夏は、夏休み前に意図的にNYPDが街中の警備を増員するぐらい犯罪発生率がグッと上がるのです。
比較すると日本は安全だと本当に思います。
ですが、今夏はいろいろと日本で事件があって、全般的には安全だけど、そうでないこともあると考えさせられました。

連日報道されていました、大阪・寝屋川市で中学１年生の生徒二人が亡くなった事件もそうです。

この事件では犠牲になった子ども達がかわいそうで、やりきれません。
二人とも明るくて普通のお子さんで、特に問題行動もなかったとのこと。
私が中１の頃は、基本夏休みであっても、夕食時には帰宅して家族で食事をとり、
それ以降は夜は保護者同伴、あるいは近所の夏祭りなど行き先と同伴者（友人など）がはっきりしていること以外は外出しなかったですし、
門限は夜9時でした。夜10時以降に出歩いていると警察に補導されていました。
もちろん、スマホもありませんから、親にｘｘ時までには帰ります、と言ったら
その時間までに帰らないとひどく心配しましたし、こっぴどく叱られました。

アメリカのほうが子どもを狙った犯罪が多いせいだと思いますが、
NYCでは13歳までは子どもだけで家で留守番もさせられませんし、どこにいくのも基本、保護者同伴です。
寝屋川の犯人のような前科がある場合、性犯罪者として所在が登録され、ネットで検索できるようになっています。
また、子どもが放置されたり危ない目にあいそうな状況だとガンガン他人から通報されます。

今回の事件も、犯人に拉致されるまで一晩中二人は外にいたわけで、
その間に誰か一人でも大人が彼らを保護していれば、あるいは警察に通報して補導されていれば助かったかもしれない。
二人は自宅から近い場所にずっといたようで、スマホで連絡も取れていたから、その隙を突かれてしまったのでしょうか。
犯人には怒りしか感じません。
防犯カメラがあっても、未然に犯罪を防げないのであれば、犯人を捕まえても亡くなった二人は帰ってこないわけで。

そしてもう一つ考えてしまった事件は、オリンピックの公式エンブレムの騒動です。

個人的な印象で、最初に発表された時に「ん？なんかすごく地味で凡庸でパッとしないな」
とがっかりしたのです。でも私、デザイン素人だしな、これがいいって決まっちゃったんだよね、と。
するとベルギーという、思わぬところから類似性を指摘する声があがり、
日本側がどう言おうと引き下がらない、裁判も辞さない強い意志で抗議があったのですね。
そこからは出るわ出るわ、以前きいた「疑惑のデパート」というフレーズがよぎりました。

最終的には取り下げられて本当によかったと思います。
というのも、アニメやゲームにとどまらず、今、NYでは日本のものというのは大人気で右肩上がりでブームといってよいかと思います。
デザインもアメリカの斬新だけど大雑把なものとは一味違う、丁寧さとか繊細さが評価されていると個人的には思います。
建物にもちょっと和のテイストを取り入れたものが人気だったり。単なる異国趣味ではもうありません。

そんないいムードのところに、このデザイン（しかも剽窃疑惑）。

これが日本を代表するデザイナーの、世界中が注目する日本のビッグイベントのためのエンブレムです、
色々言われてますけどこれでやるんですっ！といわれた日にゃ、どうすりゃいいのよ？
と正直思ってしまいました。

NYCには世界中からデザインやアートのスペシャリストが集まっています。
そんなところで、なーんだ、ブームだけど日本のレベルってしょせんこの程度か（呆）、と
とられかねない状況が放置されたら、と思うとヤキモキしておりました。
これもアメリカだったら、著作権など権利関係がとても厳しいので、ここまでの騒動にはならなかったのではと思ったり。

取り下げの会見も大会組織委員会は「私たちは専門家ではないので」とおっしゃっていらしたように思いますが、
そんな人たちがなぜ選考したのでしょう？選考過程では厳しい専門家の目は入らなくてもよくて、
結果、騒動になり取り下げる言い訳には専門家ではないことを盾にする、なんだかなあ、と思いました。
新しいエンブレムは、明るく盛り上がる、オリンピックらしいものが選ばれるといいですね。

なんて愚痴っていても、きっとまたNYCに戻って1週間もすれば、
凡人の私は「日本はよかった～」という気持ちで一杯になってしまうのでしょう。
さよなら日本、また次の機会まで！