そんな○○に魅せられて

Last Exit to Brooklyn

先日アップしました、ヒラリーの記事。
事務所があるBrooklyn Heightsの辺りは、以前からブルックリンの中では高級住宅街です。
ウオール街からすぐ、比較的所得の高い方々がお住まいの、静かな地域です。
徒歩数分のプロムナードまで出ると、マンハッタンのダウンタウンの素晴らしい眺めが楽しめます。

しかし。
その他のエリアの多くは、以前は本当に現在の姿が想像できない状況だったようです。

私がNYCに住み始めたのは1990年代後半で、それ以前に観光で来ていた頃は
せいぜいブルックリン橋の観光ぐらいしかブルックリンには来た事がありませんでした。というか、
旅行ガイドにも他にはコニーアイランドぐらいしか掲載されていなかったのでした。

住み始めた当時通っていた学校の先生はもうNYCに40年近く住んでいるかたで、私が
「あの、マンハッタンも危ない場所はありますけれど、ブルックリンて治安がちょっと…。」
と自分の印象を言ってみたところ、先生はフッと笑みを浮かべて、
「一回『Last Exit to Brooklyn』ていう映画見るか、本を読んでごらんよ」
このタイトル、ご存知のかたもいらっしゃるかもしれません。

その話を思い出し、『Last Exit to Brooklyn』を検索してみたところ、
ブルックリンの過去の荒みっぷり、悪を凝縮したかのようですごいです。(といっても全域ではないようですが)
1990年代なんて、その頃に比べたらまだ全然マシ。先生の笑みの理由がわかります。
なんというか「ニューヨーク番外地」とか「ブルックリン魔窟」とか副題をつけたいような内容です。

Amazonで購入できますので、本の中身を見るページでチラ見してみましたら文体も荒んでます。
「Are yakiddin me Alex」
最初のページからこういう文章が。(正しくは Are you kidding me, Alex?でしょうか)

出版は1964年で、1950年代の都会の下層社会を活写した衝撃作、と当時のベストセラーになったとあります。
都会派無頼やさぐれ文学という感じですね。
英語のレビューを見ますと、低い評価もあるようで
「とにかく文体が独特で、文法を無視したカンマとピリオドがないダラダラと続く文章、読みづらいことこの上ない。」
…英語ネイティブな人がこういう評価をする、ということは、私が全編読破するのは非常に厳しそうです。

この内容は事実に基づくフィクションのようなので、ブルックリン、そんな荒んだ時代からよくここまで来たなあ、
と感慨深いものがありますね。
なんか不良が更正したかと思ったらあっという間にセレブになっちゃった、みたいな。
そういう所もとてもアメリカっぽいですね。
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