なぜいまさらスミスなのか?
それはアルバム"The Queen Is Dead"がSHM-CDで再発されたからだ。
このリマスタリング盤、音がまろやかで素晴らしい。
でも、最初に買った徳間発売のアナログ盤を聴き慣れているせいか、どうもサウンドにパンチがない。
発売当時のレコードは、音がやわらかいだけでなく、しっかりと音が分離している。
で、日本ビクターから発売されたCDも持っているのだが、こちらはレコードに対して少し角が立って聴こえる。
にもかかわらず、ワーナーから今回再発されたSHM-CDよりもロックの荒削りさを感じられて良い。
音質が良い=音が心地よい
という公式が成り立たないことを、実感させられた。
そのスミスに関して・・・。
リアルタイムでリリースされていた頃、スミスを好きだと言ってもほとんど誰にも通じなかった。
ブリティッシュ・ロック(当時はUKロックとは呼ばなかった)をわざわざ聴いていたのは、非常にマニアックな人たちばかりで、日本で売れていると言っても2万枚程度がマックスだったような気がしている。
(2017年の基準で言えば大ヒットだが、1985年の基準ではほとんど売れてないに等しい数だ)
まわりを見渡しても、スミスが好きだと言ってどハマりしているのは自分だけの始末。
風向きが変わったのは、BlurやOasisが売れ始めた90年代半ばくらいから。
いわゆるBrit Popが日本でも市民権を得て、オアシスを知らない友人はほとんどいないレベルになった。
(U2など、アメリカでも成功したごく一部のアーティストは80年代から名前が通ってはいたのだが)
ようは、アメリカで売れてないロックは、日本ではロックとしての市民権を得られていなかった。
ので、いま「THE SMITHSが好き!」と騒いでいる人の大抵は、後追い派だと思っている。
それが悪いというのではない。
解散後しばらくして、日本でも良いものは良いと知られるようになったというだけの話だ。
で、「THE SMITHS」にリアルタイムで心酔した自分だからこそ言えるのが、THE SMITHSはモリッシーではないということだ。
いや、フロントマンがモリッシーであることに異論はない。
しかし、ソロ・デビュー・アルバム「VIVA HATE」を聴いた時の失望感は今も忘れられない。
その後に味わった落胆レベルでいうと、オアシス「BE HERE NOW」と同じくらい。
スミスの特徴はモリッシーの歌声なのだが、「良さ」の核心は、ジョニー・マーにあったということを痛感させられた瞬間だった。
何が言いたいのかと言えば、スミスはスミスでないと成立しないという当たり前のこと。
ソロになってしまうと、途端に魅力がなくなってしまうのだ。
ジョニー・マーは、その後THE THEやELECTRONICでいい仕事をしているのだけれど、ソロ作品になるとどうも華がない。
曲が書けないけれど違和感半端ないモリッシー、いい曲は書けるけど地味でインパクトがないジョニー・マー。
個々としてはイマイチ何かに欠けたメンバーが集って化学反応を起こした奇跡、それがスミスだと思っている。
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