注文の多い料理店 (雑記帳by山猫)

やる気が出た時に更新します。

真夜中に訪れた人

2006年08月27日 | 中年ドラマシリーズ
私の母は人付き合いが良い方で、友人知人が多かった。

だからなのか、なんなのか・・・こういうことがあった。

ある日、ず~っと会っていなかった人が、夢の中に出てきたという。

いつのまにか自分は駅のホームに立っていて、まわりを見まわして見ると、
そこは知らない、来たこともない駅だったそうだ。

駅には誰もいなかった。

少し不安になって、母は駅から出ようとした時に、汽車が入って来た。

その汽車は今では走っていないような旧式の機関車で、窓から見えた中の造りも
終戦直後を思わせるようなものだったという。

改札を出ようとした時、呼びとめられた。

汽車の中から、乗客の男性が呼んでいたのだった。

良く見ると友人のご主人だった。

そこがどこなのかわからないまま、とりあえず挨拶をしたのだが、
いつもと違うご主人の様子が気になった。

「どちらかおでかけですか?」

いつもの挨拶と変わらないような挨拶。

「・・・・・」

ご主人は黙っていた。

黙っているのだが、何か言いたそうな表情で母を見ていたそうだ。
汽車が走り出した時、彼は母に言った。

「家内と弥生をよろしく・・・」

走り出した汽車をそのまま見送って、まわりの景色が明るくなった頃
母は夢を見ていたことに気がついた。

「変でしょう? Kさんのダンナが出てきたの・・・汽車に乗って行っちゃったの」
当時、Kさんは横浜に住んでいたが、私たちは九州に引っ越したばかりだった。

Kさんのご主人が心臓疾患で亡くなったという知らせが届いたのは、少しあとだった。

母の夢に出てくる少し前に亡くなっていた。

同じようなことが何度かあったような気がする。

母は数年前に亡くなった。 亡くなる直前、母のもとにはそれらの人たちが
訪ねてきたらしい。

母が亡くなってすぐ、母の小学校からの親友という人が亡くなった。

連れて行かれたのか・・・という話になったが、それはわからない。

母自身は親戚の人の夢の中に出て来たらしい。

私のところにはあらわれたことがない。

なんだか水臭いような気もする。

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