仮題 ゴルフ場に犬を連れて行く

日常の取るに足りないこととか、、過去に某機関紙に投稿したエッセイを中心に掲載しています~~~◎

03 青春のショートエッセイ 三編

2021-11-08 | エッセイ

青春のショートエッセイ 三編

<高校球児の春休み>

 マンションの4階には近所の公立高校に通う野球部員が住んでいる。いつも五回コールド負けで帰ってくるが僕は新聞で先に結果を知っていても知らんぷりをしている。昨日、郵便局に行こうと準備していて外見たら彼が素振りをしていた 。 「えらいな!! 春休みに自主トレか。 智弁学園は毎日1200回素振りするらしいよ!」 とついでに冷やかそうと思って外にでたら・・・・・もう彼はいなかった・・・((´∀`))ケラケラ

<おまじない>

 選抜高校野球の決勝を見ていたら、明豊高校のピッチャーの帽子のツバの裏に何か大きく書いてあるように見える。多分「大丈夫」という三文字のようだ。親御さんがずっと君は頑張ってきたから何があっても大丈夫!と激励し続けて来たのかな、だからピンチの時も「大丈夫」の文字を復唱しここまで切り抜けてきたのかもと勝手に想像を巡らした。心は一気に甲子園から背番号10の地元まで飛んでいく。僕もこの言葉が好きだなあ。保護犬を引き取ってから何かと不安そうにこちらを見上げる愛犬にも大丈夫だよと言い続けて来た。そして古内東子も「🎵大丈夫~大丈夫~」と呪文のように歌っているね。   (*後になってネット情報調べたやはり大丈夫とのことでした)

<部活の顧問>

 卒業シーズンになると思い出す。高校の部活の寄せ書きを。色紙はなんと裏に書いてあった。最初に新任で自衛隊上りの顧問先生が裏に書いたのだとか。と思ったら白い方ではなく黄ばんで金銀が散りばめてある方が本来、表であるという事だった。「小生なんぞのサインなんてとてもとても・・裏に書かせてもらいます」という謙虚心から白い方に記すのが一般的になったというのは後になって知る。

さて、今となっては名前も思い出せないその先生、自衛隊上りらしく運転時の指差し称呼確認は怠らなかったがスキー部の顧問のくせに全くスキーが滑れず僕らがポール練習している横で雪ダルマになってボーゲンの練習をしていた。(自衛隊だってスキーの演習はしていたはずなのにね)

夏トレの期間にグランドに現れ腕組みをして「お前ら、冬になったら鍛えてやるからな! いや、俺が鍛えられたりして!ハッハハ!!」と威勢よく切った啖呵は後者の方が正解で一瞬にして雪に溶けて跡形もなくなったものだ。その元自衛隊、翌年ノイローゼで自殺した。もっとスキーが滑れるようになってからでも遅くないのに。

(2021-06 機関紙に掲載)


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