学力志向は不可能だと思う高校の生き残り作戦なのでしょうか。
かなり前から、高校3年間のうち1年をカナダで「留学ごっこ」をしなさいとのプログラムを宣伝している高校が増えました。
「カナダ留学出来る!」という超単純、今どき珍しくも何ともない餌で生徒集めをしようという企みです。
もう10年近く前になりますが、アルバータ州の小さな町の小さな高校で英語がまるで出来ない日本の高校生数名を発見。
特にお互いに話をするわけでもなく、黙ったままでホールのひとつのテーブルに座り、もぐもぐとランチを食べていました。
この高校は、カナダ人相棒が通った高校ですので、春休みに何人かの教え子を連れて来る相談のために訪れた時のことです。
日本人の私を見ても特に反応するわけでもなく、目はうつろ、ぼ〜っとホールに座っていました。
周りのカナダ人高校生と交わることもなく、ただぼ〜っと。
この高校を管轄する教育委員会の教育長に、その高校生がなぜこんな小さな町に流れ着いたのかを聞いてみました。
「あ〜、カルガリーとレスブリッジでビジネスをしているエージェントが連れて来たんだよ。日本の高校からの1年プログラムらしい。
英語は出来ないし、学力もそんなにないので、とにかく1年間学校に邪魔にならない程度においておいてほしいと。単位も取る必要もないし、宿題もしないでいいと、日本のエージェントと高校から言われているらしい。ホームステイもそのエージェントが斡旋し、この地域の常識を無視してえらい高額な代金を払っているらしいよ。ま、地元にお金が落ちるからOKしたけど、ここについてからは全くエージェントからも連絡もなし、生徒へのサポートもほとんどないと思う。ひどいエージェントだよ、そのうち切るかなぁ。」と。
カナダの高校側も「どうせ授業はわからないので、適当にコンピューターのクラスでゲームをしてもらうとか、工作のクラスをとらせるとか、それでも何も出来ない時は隣にある小学校で授業を受けてもらうとか。。。」だそうでした。
うつろな目の日本人高校生に話しかけてみました。
英語の発音がめっちゃくっちゃ。 これじゃ、ホストと話すにも苦労するだろうなと。
“I think ….” が「あいシンクぅ。。。」
話しているうちにいきなり泣き出した女生徒。
「カナダに行くと、1年で大学進学出来る英語力がつくと言われました。全部ウソでした。このまま日本に帰っても受験勉強も遅れてしまってどうしたらいいのかわかりません。」
娯楽など何もない小さな町の、大平原の風がざざ〜っと吹き抜ける寂しい道を、トボトボ帰っていく後ろ姿を未だに覚えています。
やがて教育長は、このエージェントと手を切りました。
余りにも無責任すぎると。
実は無責任なのは、エージェントだけでなく、こんな寂しい思いをするためにカナダにやって来る生徒の通う日本の高校です。
「1年どっかに行ってらっしゃい!アレンジは自分でして。」と、留学制度とは名ばかりの、生徒の親におんぶに抱っこ。
留学など何も知らない親子が頼るのは、「あ、また鴨が来た。」と鍋の出しをわかしてニンマリ待っているエージェントです。
学校からの決まりで、すでに高校留学ありきの親子ですから、売り込む必要もなく、ただ適当にリベート率のいい高校を紹介すればいいだけ。 卒業目的でもありませんし、日本の高校は「勉強しなくてもいい」という方針ですから、何でもOK.
えらくおいしいビジネスです。
そう、短期留学を売りにしないと生徒も集まらない低いランクの日本の高校は、せっせと嘘つきエージェントを肥え太らせている。
こんなビジネス図式が浮かび上がって来ます。
高校とエージェントがぐるの場合も多いと考えています。
もし、日本の高校からエージェントを指定されている場合は、高校側にも生徒の払う授業料からのリベートが入っているかも知れませんよ。
そうですよね、いわゆる頭脳優秀な生徒が通う高校は、こんな意味も何もない、新しくも何もない、「なぜ未だにこんなことやってるんですか短期留学」などの概念は全くないですね。
大切な頭脳が高校3年間で学習する、特に日本語・社会科・科学の基礎訓練をすっ飛ばして、何も学ぶこともない「短期留学」など最初から念頭にありません。
そんな餌をまかないでも優秀な生徒がこぞって集まって来ますから。
未だに驚愕の時代遅れ「短期留学」を必修とする日本の高校は必死みたいです。「は?」と思うような宣伝文句が学校サイトに並んでます。
カナダで実際に起っていることと、余りにも違う宣伝文句に衝撃です。
日本の高校はそれを知っていてしかもこんな嘘を並べているのだとすると、詐欺ですね、これは。
知らないで、本当にこんなことが起こると信じ込んでいるのなら、完全な時代遅れのアホですね。
ー1年間しっかり現地で学べる制度です。現地校で修得した単位は卒業単位として認定され、帰国後も同学年で卒業が可能です。海外留学奨学金制度を完備しています。
⚠️英語も出来ず、基礎学力もない日本人高校生は「しっかり学べる授業」には入れません。
⚠️単位というよりも、「学校に来てました」証明書をもらって帰るだけです。
ー本校では近年、多くの生徒が様々な制度や機関を通じて留学をしています。また本校の定める条件を満たせば、法政大学への推薦権を保持しつつ留年せずに1年間留学することも可能です。
⚠️ということは法政大学はどんな学力でも入れるということ、大切な高校の1年を抜かしても問題ない。そういうことですか?
ー長期留学しても留年しません
留学中の単位を設定し、帰国後は第3学年に進級できます。みんなと一緒に卒業できます。原則3 年次は文系クラスに所属します。
⚠️ここまで極端だと「この高校は一体どんな勉強を教えているんだろう?と絶句です。
ー【研修先】 カナダにある4校の姉妹校と提携を結んでいます 【対象】高校2年生 【期間】約1年間 【費用】約330万円
⚠️こんな出費を親に強制するんですか?! 舐めてますね、世の中を。
姉妹校とやらを見てみました。全部カトリック教の高校です。
ははぁ、リベート率が高いな、と。カトリック教の高校が授業料収入に頼り始めたようです、美味しすぎる〜と。
また、日本の宗教系の高校は単に看板という意識ですので、それでカナダにカトリック教の高校に来ると驚きますよ。
本物の敬虔な信者の子供が学んでいます、また最近はイスラム系移民の子供がここに送られることが多いとか。
宗教の厳しい規律が好まれているそうです。
ここに来るんですか? わざわざ? Oh My Gosh!
ー留学前後のサポートも充実しており、事前の英語講習や帰国後の進路指導などを行います。
⚠️あの、留学中のサポートは? それがないのに腹をたて、カナダの高校に断られたことは何とも思いませんか?
ー移民国家と呼ばれダイバシティ―が感じられるカナダでの留学では、多種多様な文化の中で、さまざまな異文化体験をすることができます。カナダの学校では、日本には無いような実践的で幅広い授業があり、生徒は留学生としてではなく、一生徒としてカナダの生徒に交ざりテストや課題にも取り組みます。
⚠️確かに多民族国家のカナダには世界中から多様な人たちが集まっています。が、みんな混ざって仲がいいわけではないですよ。それぞれがグループを構成し、人種間の交流はほぼありません。英語も出来ない日本の高校生が多民族国家の恩恵を受けることなど無理です。
⚠️実践的で幅広い授業?うまいこと言いますね。カナダの高校は大学進学出来ないレベルの生徒もたくさんいます。そんな生徒向けに手に職をつける基本を教える職業訓練的なクラスがたくさんあるのはそのためです。英語の出来ない日本人高校生はそんな中にポイッと放り込まれます。それが短期留学の目的ですか、本当に?
⚠️「留学生としてではなく1生徒として?」意味不明です。英語も出来ず、カナダの常識もなく、基本学力にも欠ける日本からの高校生は『日本から体験だけのために来ているお客さん』でしかありません。テストや課題?不可能です。
最後に、実はこんな時代錯誤のプログラムに隠れている大きな危険があることを知っておいて下さい。
コラム「海外ホームステイは時代遅れ」でレポートしている危険なホームステイが蔓延していることを抜きには「短期高校留学」に無責任に生徒を放り出す日本の高校の呆れる体質は語れません。
このイメージはある日本の高校生がステイした家庭のリビングルームです。
上記コラムのCase4でレポートした事件が起こったホスト宅の部屋です。
いかにも暗く、乱雑で、住人であるホストの資質が見えてきます。
こんな所にわざわざ大事な子供を送るのが体験留学ですか?
右上壁にずら〜っと並ぶのがこれまでにホストした日本の生徒の顔写真だそうです。
気持ち悪いですね、背筋がぞぞっとします。
ホストファーザーが”We had sex.”と自慢した写真です。
日本の高校で高い学力をつけ、クリティカルシンキングの準備が出来た場合にのみカナダ留学は意味を持ちます。 忘れないように。
大学年齢の大人になってから、能力が十分だと思ったら
カナダにいらっしゃい!
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