カナダにいらっしゃい!

カナダ留学・クリティカルシンキング専門家。Canadian Prairie/EcoCabin在住。 

上がり続ける学費に喘ぐカナダ大学留学生 - 食事の量を減すしかない

2022-03-16 09:53:35 | カナダ留学

PodCast[カナダの大学に来たいですか?高校でトップクラスの成績があれば可能です。]では、「カナダ大学留学するのは、いかに高校の高い成績が必須であるか」を、カナダ大学教育に権威のあるMaclean’s magazineの記事からご紹介しました。 

さて、今日はコラムでもっと掘り下げて行きます。

「やった!カナダの大学に入れた!」と喜んだ後は、異常な値上がりを続ける学費と生活費に直面することになります。

カナダの主要MediaCBCの記事から

Rising tuition, student debt weigh heavily on post-secondary students

「上がり続ける学費、学生ローンへの負債が大学生に重くのしかかっている。」

 

カナダの学生が学費値上がりで潰れてしまいそうですが、実は留学生の大学学費はカナダ人の3倍〜5倍なのはご存知ですか。

最初から不合理に高く設定されている留学生の学費値上がり率は、現地カナダ学生への率より高いことも知っておいて下さい。

 

CBCは実際の学生の困窮状態をCase Studyとして報告しています。

 

Nicolas Avendano(Toronto) コロンビアからの留学生 

Tuition: $8,000-9,300/term | Housing: $1000/month | Food: $300-350/month | Transportation: $100-150/month | Books: $250/year | Internet $40/month | Phone: $66/month

(単純計算すると年間の費用は$40,756 上記以外には何の娯楽も出費もなしと仮定して) 

28歳のNicolas(カナダの大学生は実に多様です、もちろん年齢も多様)は家賃の酷く高いトロントで、地下のアパートをルームメイトと共有。それでも、月1000ドルは高い!

食事はスーパーの割引で買った材料をアパートで調理。

親から(アメリカ在住)の仕送りではとてもやっていけないので、ファイストフードでアルバイト。

今は、ここから何を切り詰めるかを考慮中。 バスに乗らずに歩くか、食事の量を減らすしかない。 

とにかく留学生用学費が高すぎ。

大学生活は、食事も満足に取れず、何の娯楽もなく、アルバイトで疲れ果て、勉学の時間も取れないことではないはず。

「こうやって、世界中の貧富の差が開いていくんだ」とNicolas.

 

Yasmin Gardy(Burnaby, B.C.) イスラエルからの移民・従って授業料は留学生ではなく現地学生用 

Program: Food and technology, British Columbia Institute of Technology 

Tuition & transportation: $7,500/year | Housing: $1700/month | Utilities: $35/month | Food: $400-600/month | Books: $240/year | Internet: $70/month | Phone: $60/month

(年間費用 $37,320) 

33歳のYasminは、高すぎる家賃などを払えずバンクーバーにあるユダヤ人コミュニティから援助を受けている。

一部屋のアパートでこの値段が普通なのがバンクーバー周辺。

食事はFood Bankに頼る。

「大学教育は無償であるべき。」とYasmin.

 

Gaayathri Murugan (Corner Brook, N.L.) インドからの留学生  

Visual arts, Memorial University (Grenfell campus)

Tuition: $5,000-$6,000/term | Housing and internet: $1,700-2,100/term | Food: $1,000 per term for meal plan, $150-300/month groceries | Transportation: $200-300/month | Books: $100-200/term | Phone: $40/month

(年間費用 $36,580)

 

インドで借金をしてやって来たGaayathri、カナダでは複数のアルバイトを掛け持ち。

留学生は週に20時間の労働しか許可されていないため、必要な費用を稼ぐことは無理。

このまま切り詰めて、借金をして大学を卒業しても、借りた額を返すことなど出来ないと思う、と。

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ここまで読んだみなさん、どう思いましたか?

まぁ、日本の大学も、国からの教育予算が少ないため、親のやせ細ったすねかじりでやっと学費・生活費を工面している方が多いことと思います。

 

ここの事例に出てくる学生の通う大学は、カナダの中でも学費は結構常識的な数字であることも付け足しておきます。

Big nameである、University of Toronto, University of British Columbia などでは、専攻次第ですが、年間40,000~50,000ドルになります。

それに生活費を加えるとものすごい数字になりますね。

それで、結局ドロップアウトしてしまう日本人留学生を見ていると、日本の親はせっせとカナダ経済を支え、最終的には何ももとが取れずに撤退している図式が浮かびます。

 

CBCの記事に出てくる留学生たちが食事も切り詰めて頑張り続ける理由はただ一つ。

大学学位を取ったら、やり甲斐もあり、給料の良い仕事につけるから。

それで、今のマイナスのもとを取ろう!という希望です。

 

ところが、心が痛いことに、今の世界はただ大学を卒業したからと言って、良い仕事に就けるとは限りません。

パンデミック以前からも言われていたことですが、余程入念に専攻を選び、スキルを磨き、クリティカルシンキングとStory Tellingの能力を前面に押し出さない限り、夢に描いていた社会人生活は簡単には手に入らない時代です。

 

これについてもMaclean’s magazineが詳細に書いていますので、次回コラムにてご紹介します。

 

カナダにいらっしゃい!

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