日本人エージェントに「カナダへの留学は簡単ですよ。」とやたらカナダを勧められた経験はありますか?
高校生も「カナダの高校は成績にも関係なく、英語力がなくても入学出来ますよ。」
大学も「入試がないので、語学学校から簡単に行けますよ、」
などと言われ、カナダに来た方必読の記事です。
カナダで起こっていることを鋭いクリティカルシンキングで書くToronto Starの記事から。
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カナダの留学生プログラムは、他の英語圏の国が羨むほどの成功を遂げ、今や世界の留学先で一番人気となっています。
将来の就業機会と永住権、そして市民権を約束するカナダの留学生呼び込みに世界中から留学生が集まる国になりました。
留学生プログラムからは数十億(円)がカナダ経済に転がり込み、まるでパイプラインのように自動的に留学生を送り込むルートが出来、公的資金が滞り現地カナダ学生数の減少により困っていた大学の予算不足を補う大きなビジネスとなりました。
しかし、一見成功したかに見えるこの方式と、無限にも見える留学生授業料収入を稼ぐカナダのプログラムは大きな転換点を迎えています。
杜撰な留学プログラムの隙間に落ち込む学生たちが疑問を投げかけ始めました。
自分たちの払った高額な授業料と使った時間は、本当に元が取れるんだろうかと。
さて、カナダ。
略奪されていることに気が付き、疑問を投げかけ始めた留学生たちにどう応えるのか。
実は2008年、オーストラリアが同様の状況に陥り、大きく留学プログラムの方向転換を行った経緯があります。
カナダと同じく、膨大な数の留学生呼び込みに成功し、多額の収入がオーストラリア経済に流れ込み、そしてそれを保つべく他の英語圏との熾烈な競争を繰り広げ、ちょうど今のカナダと同様に「とにかく誰でもいいから連れて来い!」とリクルーター(エージェント)を煽り続けました。
そして、次第にオーストラリアが気づき始めたそうです。
何か、おかしい。
「留学生が異常に搾取されている、しかも、留学生に必要なサービスも提供されていない!」という事実が次第に大きな問題になり始めたのが2008年以来です。
また、就労が許可されている留学生も、低賃金・悪条件で働かされており、まるでオーストラリアの経済を支える低賃金労働者のような役割を果たすようになりました。
留学生は、と言えば、社会的に孤立し、将来の移民への望みも薄く、劣悪な住環境に耐えながら、バカ高い授業料を払う毎日。
なんと、6部屋の家で48人の留学生が押し込まれていたケースもあったそうです。
事はパンデミックにより更に悪化し、いわゆる授業料狙いの「留学生プログラム」とオーストラリア政府の「移民プログラム」が全く接点なしで動いていたとか。
それと同様のことが、今、カナダで起こっています。
カナダ政府が見て見ぬふりをしえいる「搾取留学プログラム」で勧誘され、リクルーターの甘い話と全く異なる環境で喘ぐ留学生たち。
特に、リクルーター(エージェント)の甘い夢物語を信じカナダにやって来た世界の若者たちが、将来への希望を無くしカナダに失望しています。
この記事がカナダ政府に真摯に呼びかけていること:
カナダ政府は、留学生Moneyを経済の大きな柱とする方針を変えること。
今では、留学生の払う授業料なしでは、カナダ経済が成り立たなくなっています。
「カナダは留学にはバラ色です」宣伝をやめること。
とにかく、カナダはすべての留学生プログラムをリセットすること。
振り構わぬエージェントがどんな勧誘をしようが目をつぶり、カナダが集めた留学生数は845,930人(2021年)、2022年9月には962,445人に増えました。
留学生の払う授業料・生活費はなんと220億円という壮大な額となり、カナダ経済を潤すだけでなく、留学生関連で働く170,000人の雇用を生み出しています。
カナダ人の払う授業料の4〜5倍を払ってくれる留学生は、まるで神がカナダの大学を助けるために送り届けたような存在です。
教室を埋め尽くし、予算を増やし、地元カナダ学生のためのコースを充実をすることが出来るようになりました。
正式大学留学生に就労を(現在無制限)認めることにより、地元カナダ人も嫌う低賃金・悪条件の仕事が留学生で補われるようになりました。
カナダはそんなに留学生を搾取したままで進むつもりですか?
夢の宣伝をし、連れて来た留学生を、その夢に合わせあげる責任があるのでは?
カナダ政府はすべての留学プログラムを停止し、1からやり直すべきです。
留学生の目的と希望をまず叶える制度を作り、それを確実に実行すること。
オーストラリアはリセットしました。
移民と教育とを切り離すことから手をつけ、リクルーター(エージェント)を登録制とし、そのリクルーターが送り込んだ留学生の学業状態・成績を追跡するきまりを作りました。
結果、永住権を餌としてのずるい勧誘は止まり、移民は学位に到達出来た学生のみの特権となりました。
学生ビザ申請プロセスも随分厳しくなり、留学目的詳細を提出し、それを政府が細かく吟味するシステムも作りました。
結果?
プロセスもややこしく、入学も厳しく、費用もかかるオーストラリアへの留学生が、もっと簡単で「誰でも入れますよ〜」とエージェントが叫ぶカナダに流れるようになりました。
その結果が、カナダに来る驚くほど大きな留学生の総数です。
エージェントへの登録制も規制も調査もありませんので、もちろん、エージェントたちはこぞってカナダに送ろうとします。
カナダの留学生の問題を取り上げて来た団体のKahlonはこう述べています。
「もし、カナダの留学生プログラムが本当に世界で一番頭の良い人材を集めたいのであれば、永住権は各分野の学位取得者の中のトップ学生のみの特権にするべき。そのためには、成績の良い留学生には学費を下げ、カナダでの教育を手に届くものにするべきだ。
授業料で利益があがる!と柱にした留学生プログラムには大きな問題がある。もっと連れて来ればもっと儲かる。これが今のカナダ。」
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正に、その通り。
私が1994年以来日本に発信し続けている「カナダ留学の実態」がここに明らかに記されています。
Kahlonにも全く同感です。
ただ、ここまで読んでおわかりだと思いますが、日本からカナダに来る留学生は移民目的ではなく、単に「英語がしゃべりたい。」などの現実離れしたものが大部分です。
学業中は特に就労する必要性もなく(親に甘えて)住居も親がたっぷりお金を出して用意し、学位まで辿りつけなくても(多いですよ)ま、すごすご日本に帰ればいいし。
そこにつけこんだのが日本のエージェント。
将来を約束する必要などないですから。
カナダの杜撰な留学プログラムをニヤッと利用しているのが、日本のリクルーター(エージェント)です。
追記:
この記事には高校留学のことは書かれていません。「一体何のために?」と思えるおまけみたいなプログラムですから。 どんな杜撰なプログラムであろうとも政府が見てみぬふりをし続けると思います。高校留学生やその親が立ち上がらない限りは。
まずは自国で基礎能力をつけてから、高等教育(大学以降を指します)で留学、これが当たり前の留学事情。
日本の多くの高校がなぜか「1年留学プログラム」と名付け、生徒に自分で留学手配をさせ、エージェントをウハウハさせているのも、カナダから見ると「まぁいいか。授業料が転がり込んでくるから。」との不思議な存在であることも知っておいてください。
さぁ、いつ、カナダ高校留学の実態がカナダ社会に衝撃を与えるか。
そろそろカナダの留学プロセス全体を大きな地震が襲うと予想しています。
Tectonic Platesが動くように、Mediaの動きがずいぶん活発になりました。
日本の高校でトップクラスの成績を取り、十分カナダ大学レベルの準備をして、本当の学位を取りに
カナダにいらっしゃい!
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