深夜食堂

　「深夜食堂」はビッグコミック・オリジナルに連載中のコミック。新宿ゴールデン街辺りをイメージしたカウンターだけの大衆食堂なのだが、メニューはビール、酒、焼酎以外は豚汁定食だけ。「後は勝手に注文してくれりゃあ、できるもんなら作るよってのが、俺の営業方針さ。営業時間は夜１２時から朝７時頃まで。人は深夜食堂って呼んでるよ。」という一癖ありそうな店が舞台である。一話読切り形式で、毎回この店を訪れる様々な客が注文する食のエピソードと共に人生模様が描かれるちょっとほろりとしてしまう大人向けの作品である。この作品が昨年ドラマ化され、MBS(TBS系列)の製作で全10話だけ原作に合わせて深夜枠で放映された。もともとコミックを読んでいた私はリアルタイムで録画しながら全話を視聴したのだけれど、これが滅法面白くて、もしかしたら原作よりもいいんじゃないかと思うくらいの名作だった。主人公であるマスターのイメージは原作とはちょっと異なる気がしていたのだけれど、小林薫は実にいい味を出している。注文を受けた時の「あいよ」っていうセリフだけで痺れてしまっていたのである。何回もビデオを見直してたのだが、残念ながら、操作ミスで第一話を消去してしまい、それが何とも残念で仕方なかった。それでもまあ、これくらい面白い番組だったのだから、いつかまた再放送されるに違いないと信じて気長に待つことにしていた。そんな私がDVD発売を見逃すはずもなく、しっかりとゲットして、もう何回目かと思うほど見直している。

　「世の中は　下流中流　有栖川
　　人生なめんなよ」　　

　♪行きあたりばったりよ　行きあたりばったりよ
　　子供のころから大人になっても
　　行きあたりばったりよ　行きあたりばったりよ
　　路地裏見つけて　クネクネ行くのが　とっても好きなのよ♪

　謎の男（オダギリ・ジョー）の定番セリフや千鳥みゆき（田畑智子）の劇中歌などが、頭の中をぐるぐるとしている。なんだかこういうマニアックなものにはまりやすい性格なのだなあとしみじみと思うのであった。
　機会があったら見てくださいね。本当に面白いですから。