インテリジェンス

　やっとこさ帰国いたしました。途中トランクの鍵が壊れたり、帰りのトランジットに間に合わなくなりそうになって空港内を走ったりと色々とありましたが、とにかく本人は無事に帰ってくることができました。やれやれというところです。 　

そんな海外出張レポートの最後は女性のお話。とはいっても、仕事で行ったわけですからかつて世界に悪名をとどろかせた買×ツアーのようなことはしていませんので、念のため。今回、イギリスでは現地の女性を３人臨時で雇用したのです。２人は中国系で、１人は日本人。３人ともとても若くてキュートな方だったのですが、私が彼女達と一緒に仕事をする時間は本当に少ししかありませんでした。それがひょんなことから彼女達の打ち上げにということで食事会が設けられ、私もそれに参加しないかというお誘いがあったのです。若い綺麗な女性と食事に行く機会は日本でも滅多にないことですから、チャンスは前髪をつかめ（後ろは禿げているらしい・・）とばかりに二つ返事でOKしたのですが、返事をした途端にその決断を後悔することになりました。メンバーはその女性３人にもう一人の男性エージェントを加えた５人なのですが、私以外は当然のように英語がペラペラ。しかも、中国系女性２人は日本語はまったく分からない。もちろん２人の日本人は通訳はしてくれるとは思うが、食事の最中にそうそう通訳してもらうのも恐縮だし、そもそもそれじゃあ会話のテンポが落ちて興醒めである。こりゃあ、急に人と会わなければいけなくなったとか言ってドタキャンするかなとも考えたが、それはそれで別の問題が生じるからそういう訳にもいかない。結局、いつものようにオリエンタル・スマイルで過ごすしかないかなと思いながら、中国系女性がお勧めの洒落た中国料理レストランへと向かったのである。
　で、どうなったかと言うと私の心配は全くの杞憂に終わった。実に楽しく食事を終えた後、もう一人のスタッフを加えてレストラン近くのホテルのラウンジで２次会まで行ってしまったのである。それもこれも雇い主であり最年長の私に気を使って日本人スタッフの男女がうまく会話の流れを読みながら通訳をしてくれたのに加えて、中国系女性２人が日本語の会話が続く時にはあえて会話に加わろうとせず２人で中国語で会話をしながら間をつなぐなどの心配りをしてくれたことが大きかった。彼女達は時に何回か言い方を変えながらなんとか私に分かるように工夫して英語で話しかけてみたり、私が酔っ払って話す怪しげな英語も一生懸命聞いて理解しようとしてくれたのである（ほとんどの場合、他の２人に通訳を頼むことになってしまったが^^;）。ころころとよく笑う二人の中国系女性はどこにでもいる若い女の子のようにしか見えないのだが、一人は数学の博士号を持ったエンジニアだし、もう一人も会計の専門家でMBA（Master of Business Administration）の資格も持っているという。私なんかが太刀打ちしようもないとんでもないスーパーウーマンだったのである。もちろん日本人女性の方も一人でイギリスに在住しているくらいだから、その能力は中国系女性に負けないものであることは言うまでもない。
　才色兼備の女性というのはやっぱりいるんだよなあと驚きつつ、本当に素敵な女性というのは世界中どこでもこうやって人に気遣いができるものなんだなあと改めて感心したおじさんでした。

　ちなみに、日本人女性の方とはビーズ細工で話が盛り上がり、なぜか地球の裏側で浅草橋の話をしてしまいました。改めて考えてみるとなんだか不思議だな。