病気なの？

　ガムを噛んでいて、左の頬を噛んでしまった。イテッ！しばらくしてまた噛んでしまう。イテッ！まったくもうしょうがないなと思っているそばからまた噛んでしまう。イテッ！
　いくらなんでもこんなに立て続けに口の中を噛んでしまうというのはちょっと異常だよなあと少し落ち込んでいたら、口の中にあの嫌な味が広がってくる。そう、あの独特の鉄錆の匂いがする血の味である。昼間から酒を飲んでいるわけでもないのに、こんなことが起きるなんてどこか脳の中に小さな梗塞でもできているんじゃなかろうかなどと妙に不安になる。かつての先輩で昼飯を食べに出かけた時、知らず知らずに体が斜めになるらしく何回も隣を歩く私にぶつかってくる。一度ちゃんと医者に行った方がいいですよなんて話をしていたのだが、後で微小脳梗塞というのがいくつかあって、今のところは命に別条もないのだが投薬治療をしましょうということになった話を思い出す。そういえば、河豚の肝は珍味なのだが毒があるので、食べる時には時々歯肉を楊枝で刺して痛みがなくなったらそれ以上は食べちゃいけないなんて話までついでに思い出す。口の中は末梢神経が表面まで来ているので状況が分かりやすいということなんだろうが、どうもその話は眉唾のような気がする。例の通り、とりとめもなくそんなことを考えていた。
　そんな日の夜もやっぱり飲みに出かけて、しばらく焼酎の水割りを飲んでいた。いつものように一人で飲んでいるだけだから、もう一杯だけ飲んだら帰ろうと思ってトングで氷をはさみグラスに移そうとしたその瞬間。氷はするっと落ちて、手前の醤油皿の中に落下し、綺麗に醤油が飛び散る。幸いカウンターの両隣りに人がいなかったし、私自身にも２～３か所醤油がはねただけですぐに拭き取ることができたのだが、カウンターは見事なまでに汚れてしまった。馴染みの店なのでみんなニコニコしながら後始末をしてくれたのだが、今日の今日のことなので私はすっかりといじけてしまった。もう指先にも力が入らないのだろうか。。。
　たぶん考えすぎなのだろうが、こんな時は早く眠るに限る。そう、こんなブログなんか書いている場合ではないのである。