兼題「行く秋」
行く秋や三井の晩鐘湖に消ゆ
虫の音や寂光院への畔の道
荻の風飛鳥大仏包みけり
行く秋や日向に仔猫伸びいたり
海凪や能登の棚田の黄金波
馬追や小舟に人なき夕間暮れ
兼題「行く秋」
行く秋や三井の晩鐘湖に消ゆ
虫の音や寂光院への畔の道
荻の風飛鳥大仏包みけり
行く秋や日向に仔猫伸びいたり
海凪や能登の棚田の黄金波
馬追や小舟に人なき夕間暮れ
兼題「白露」
線香の漂う祖廟白露かな
早朝のロッジの庭の白露かな
庭隅に桔梗寄り添う式部の碑
竹薮のの大きく動く野分かな
美しき友の遺影や秋桜
兼題「秋の夜」
秋の夜や机の上に本二冊
一日終わふ湯上りの水秋の夜
秋の夜や齢忘るる同窓会
秋めくや青田に雲の影一つ
秋夕焼け歯医者帰りの歩道橋