小西六写真工業が1975年頃に\32,000.-くらいで発売しました。
コニカC35EFが本名です。
「私にも写せます。」のCMとピッカリ・コニカで一世風靡。
ストロボ内臓コンパクトカメラがこの後どっと発売されました。
実は、私はこのカメラは持って居りません。
それどころか、触った事すら有りません。
ほんなら、何で?と言うのは、このカメラのお陰で、私なんぞには、触れる事すら出来なかった高級カメラの数々が転がり込んできたのです。
露出計の組みこみ、カラーフィルムの一般化も同時期に進み、カメラ屋さんは下取りセールを行いました。
下取りに出されるのはピンからキリまで。
ほとんどは普及品で、これは一山幾らで始末します。
所が、所謂高級機がたまに混じっています。
専門の修理業者に頼めば費用が高くつく。
アルバイトに白黒写真の引き伸ばしをやっていた関係で、選別の手伝いをすることになりました。
機種はニコンとキャノンのその時々の最高機種。
凹み、傷、カビ等、取れない汚れのあるのはアウト。
機構が動かないのも当然駄目。
レンズにクモの巣状にバルサム切れのあるのはアウト。
これらのチェックをクリヤーしたものは、光線漏れ、シャッターの作動、レンズの状態を確かめるためにテスト撮影をします。
と言っても、白黒Try-Xをいれて、巻尺を写して距離計とレンズ、TV画面を各シャッター速度で写してシャッターのチェックと至って原始的、かつ単純。
幸い高級機はほとんどフォーカルプレーン式のシャッターなのでTV画面撮影でチェックできます。
一応実用上問題ないとなると、コレクション向けに結構な値段で売れます。
選に漏れた分は、手間賃代わりに頂ける。
ダンボールに数十台入れて家にもって帰り夜なべ仕事。
箪笥に入れぱなしで樟脳、ナフタリン・ガスで油が固まって動かん奴。
無限遠でピンぼけ、ひどいのは全くピントが合わない奴。
距離計の着色が抜けてしまってる奴。
可愛そうに、ど素人に買われたのが身の不運。
油が固まったのは、これまたバラして古い油を落として、今ならCRCでしょうが、当時は時計屋が使う粘度の低い潤滑油を気持ちだけ付けて組みなおし。
凹みはバラして裏側から丁寧に少しずつ修正。
ピンぼけは距離計が悪いのは10中8,9半透過鏡かプリズムの位置が狂ってる。
レンズが悪いのは手がつけられん。
その他諸々は臓器移植で何とかなります。
何台かを寄せ集めると結構使えるカメラが組めます。
使えてもこういうのは”フルーツポンチ”と呼ばれてコレクターは見向きもしません。
それでも百貨店の”中古カメラ祭り”なんかで並べると売れることが有る。
それやこれやで、手元に一時は30台以上の使用可能なカメラが残った。
元がタダだけに、これは、と言うのは別にして、欲しいと言われればホイホイ差し上げました。
さすがにニコンIやMには巡り合いませんでしたが、それ以外のS、S2、S3、SP、等と十数台残りました。
これもピッカリ・コニカのお陰。
本当にお世話になったカメラでした。
2002/01/26