maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

48-ED BARRAR-03-U.S.A.1964-No.48(8/2)

2022-06-02 16:19:22 | 虚々実々-U.S.A.-1964

オイ、Ed!

ヒィーホッホッ、ホッホッ、ヒィーホッホッ、ホッホッ、ヒィー
けたたましい鳴き声で目が醒めると、まだ薄暗く、4:00を少し過ぎたところです。
Honey の向うから聞こえてくるようです。
こんな突拍子も無い大きな声で、朝っぱらから傍若無人に鳴くのは一体何なのか?
動物、鳥?声のエネルギーからして虫であるはずは無いし・・。
誰も起きてくる様子が無いところを見ると、私が知らないだけなんでしょうかね?
昨夜は疲れていたのか何時の間にやらガクンと寝てしまいました。
おかげで寝足りてはいるんですが、あんまり夜明け前からガサガサ歩き回るのは皆さんに迷惑だろうし、とエフィが持たせてくれたリプトンのグリーン・ティのティバッグでお茶でもいれて、森の夜明けを楽しむ事にしました。
ギャー!と啼いているのはカケスの声に似てますが、アメリカにも居るのかな?

貸してもらったガソリンストーブは初めて見るタイプで、何時も使っていたホエーブスのように余熱する構造になっていません。
タンクに使い方のようなシールが貼ってあるんですが、字が薄れていてもう1つハッキリしません。
ヘタに好い加減な事をして火達磨にでもなったら一大事です。
貸してもらったガソリンランプは昨日ボブに使い方を習ったんですが、ストーブの方はうっかりしてましたね。
同じメーカーなので、同じやり方で使えるかな?
良く見れば主要な部分の構造は共通見たいです。
加圧ポンプを押して、点火レバーを捻って火を付けると、オ~ッ、綺麗に燃えますね!
音も静かだし、これは中々良いなぁ。
色だけは番茶に似ているけれど、味もシャシャラもないグリーン・ティでも、肌寒い早朝の森の中で飲むと、美味しく感じます。
しかし、このお茶は日本では絶対に売れ無いでしょうね。

リスが起き出したみたいです。
昨日聞いたのと鳴き方が違うのは、夫々に意味が有るのかなぁ?
この明るさで、あの動きの速さでは、写真を写しても何が何やら判らないでしょうね。
時間が有るから、ちょっとスケッチ。
う~ん、リスやらカワウソやら判らん絵になったなぁ。
何時見ても、尻尾を伸ばしてますね。
こいつはリスらしく尻尾を巻いているポーズをしないんでしょうか。

しかし、我ながらヒドイ字ですね・・。
実はこれはまだましな方で、本文の何か、まるで唐草模様。
よっぽど、字のところは消そうかとおもったんですが、出来るだけそのまんまと思いましてね、

ヒョェーホッホッ、ホッホッ、フィーホッホッ、ホッホッ、ヒィー
何物か知らないけど、思いっきりウルサイ奴ですね。
移動しないで、同じ場所で鳴いているような気がします。
何なんでしょう?縄張りを宣言でもしてるんでしょうか?
折角の静かな森の雰囲気がぶち壊しです。
もっとも、静かな森というのは現実にはあんまり無くて、結構いろいろな音がして騒がしいものなんですが、この声ばかりはあまりにも異常です。
そろそろ大分明るくなってきたので、声の主を確かめに行きました。
Honey の向うから聞こえていたような感じなのでそちらに向かって行くと、
ヒョェーホッホッ
まさしく、Honey の近くです。
昨夜食堂に居た時には、こんな鳴き声を全く聞かなかったですね。
オヤ?小さな広場があって、杭につながれているのはひょっとしてロバ?
ワッ、鳴いた、ロバってこんなとんでもない声で鳴くんですか?
そう言えば、今までロバを近くで見たことが無かったですね。
ロバってのは、どういう風に呼ぶんでしょう?
口笛を吹いても、手をY叩いても、ト~トットット(これはニワトリか?)といっても近寄ってこないで、横目で見てるだけです。
何んだかあんまり友好的な雰囲気では有りませんね。
こっちから近づいて蹴っ飛ばされでもしたら馬鹿馬鹿しいので、手懐けるのは諦めました。

けど、何でこんな所にロバが居るんでしょうか?
ボブに聞けば判るでしょう。
朝飯の時に聞こう、えーっと、ロバは英語では donkey だったなぁ。
ん?トイレに行きたくなったぞ!ついでだから、昨日教えてもらったトイレに行きました。
ドアを開けて仰天。
何だ?細長い小屋の中の一方の壁際がベンチのようになっていて、穴がポコポコ開いてます。
仕切りも何にも無し、此処に並んで座ってするのかなぁ?
小さい方用のはそんなに違和感が無かったけれど、これはちょっとなぁ・・。
まぁ、しかし朝も早いし、しておこう、と座りました。
どうにも落着きませんね。

しばらくすると、ガタンとドアが開いて「Hi!」とボブが入ってきた!
「良く寝たかい?」といいながら、ズボンを下ろして隣に座り込んで何か鼻歌を歌ってます。
これではどうにも力が入りません。
「Donkey の声で起こされた。うるさい声だね、何故ロバがいるんだい?」
「アァ、あの Ass ね。あれはボスのペットさ。Ed ッて名前さ、Ed Barrar のエド」
Ass ?Ass って尻じゃぁ無かったっけ?
ロバも Ass というんだそうです、子供のロバは Foal だそうで、もう頭が付いて行きません。
ペット?犬かネコかせめてウサギくらいならわかるけれど、あんなでかいペット、シーズンが終ったらどうするんでしょうね?
「ボスは牧場を持ってるからね、ブタじゃないだけましさ」
ブタが走り回ってるキャンプ場も感心しませんが、ロバが朝早くから雄叫びを上げるのもどうですかね。

「この辺りは、カリフォルニアのゴールドラッシュが始るきっかけになったところでね、ロバというのはゴールドラッシュのシンボルみたいな物なんだ」
判らんことを言いますね?一体どういうことなのかなぁ。
「金を捜す連中は、荷物を担がせたロバ1頭を連れて、キャンプしながらこの辺りの谷を歩き回ったものらしいよ。インディアンと並ぶアウトドアーの大先輩さ。だから野外活動のシンボルとも言えるね」
ヘェ~!
ドアが開いてリックが入ってきました。
「早起きだなぁ!(Hi!Eary birds!) 良く眠れたか?」
「ハイ、快適でした」
「何を話していたんだい?」といいながらズボンを下ろして、ボブの向こう側に座り込みました。
「Ed に起こされたそうですよ」とボブ。
全く良くマァこんな状態でナニが出来るもんですね。
私は、聞き取るのに一生懸命、話すのにも一生懸命、気が散って全く駄目。
静かに瞑想に耽りながらでないと、出る物も出ません。
これは、何が何でも明日から、スコップ片手に大自然の中でしようと決心しました。
幸い地面は穴が掘りやすそうですし、蚊やアブ、ヒルも居ないので助かります。
懸念は蛇とバッジャーです。
そんなのに尻をかまれてはたまったものでは有りません。
幸い、両方ともウヨウヨいるのではないそうです。
万一出喰わしても、手元に棒切れかスコップが有れば、何とか防戦できるでしょう。

「明日から、森の中でしても構いませんか?」
「エッ?場所さえ適当なところを選んで、後始末をきちんとすれば構わないけど、どうして?」
「こういうのは慣れていないんで、落着かないんです」
「ヘ~、日本じゃぁどうしているの?」
「簡単ですけど、1人ずつ別れてるんです」
「又、何でそんな事をするんだろう?」
そういわれると、何ででしょうね。
こういう風に和気アイアイと話をしながらなんてのは、経験がありませんし、理由と言われてもねぇ。

トイレに付き物のハエが居ないし、匂いも余りしないので、何故かなと思ったら、座っているところが蝶番でガバッと開くんです。
使う度に、開いて、部屋の隅に置いてある消臭殺虫剤の粉を撒くんですね。
汚したら、汚した本人が掃除をする事になっているので、便所掃除役はいないそうです。
こういう考え方は、大した物で、日本は全く敵わないなぁ、と思います。

 

我が国では、江戸時代の長屋の厠でも個室だったそうですね。
外国では個室でも、上下が大きく開いた扉で、足が丸見えのが多いのは、こういう事の流れでしょうか。
ず~っと後になって、中国でいわゆるニーハォ厠所で同じような状況に遭いました。
こちらは溝を跨いで縦1列に並ぶんです。
端の方で何か喚いたと思ったら、タバコの袋とマッチが手渡しでやって来たりするんですよ。
マレーの海岸で、朝三々五々浅瀬にしゃがんで沖を眺めている光景を見ましたが、恥ずかしさの基準が違うんですかねぇ?



2003/06/07:初出
2022/06/02:再録

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