やや矢野屋の棚上げ棚卸し

アニメの感想と二次創作小説・イラスト掲載のブログ
「宇宙戦艦ヤマト」がメイン 他に「マイマイ新子と千年の魔法」など

湖川絵の魅力

2009年11月05日 02時34分00秒 | 湖川友謙
「さらば宇宙戦艦ヤマト」の作画監督が湖川さんだということを知ったのは、長いファン歴において比較的最近のことだ。
ヤマトにドップリと浸かっていた頃は、アニメの絵を誰が描いているかということにさほど興味を持ってはいなかった。
せいぜい「さらば」のポスターにあった古代と雪のイラストは誰が描いたのか、知りたかったくらいだ。
(あれが安彦良和さんの手になるものだと知ったのも、ずいぶん後になってからだった)
やがて、ガンダムブームを経てアニメ誌を定期購読するようになり、制作スタッフに対する興味関心が高まったちょうどその頃、「伝説巨神イデオン」の放映が始まった。

アニメ誌の新作情報でキャラシートを初めて見たときから、今までのアニメにない人物造形に惹かれ、これは絶対に観なければと心に決めた覚えがある。
敵異星人バッフ・クランの髪・眉の色トレスや瞳の表現、独特の髪型やコスチュームは、今見ても斬新だ。
地球人側のキャラも、人種や年齢が反映されたリアリティと美しさ・格好良さのバランスが絶妙だった。

個人的には、この作品にゲストとして登場した「キッチ・キッチン」がアニメ史上最高の美少女ではないかと思う。
「ガンダム」のセイラさんももちろん美しいのだが、安彦良和さんのキャラはなぜか「同じ作品の他キャラと比べて水際立った美しさがある」という感じを受けない。
セイラさんが綺麗ならマチルダさんも綺麗だし、フラウ・ボゥも可愛いし。
だが、湖川さんの女性キャラは「ああ、この世界の美人のランクってこういう感じなんだな」というのが手に取るようにわかる。
キッチンの印象的な眼と、成長の過程にある少女らしい身体つきは、それまでのアニメにはなかった「美少女の佇まい」を醸し出していた。

その一方で、トータルでは美人とは言い難いキャラが、ふとした折りに見せる表情が非常に魅力的だった。
例えば、敵であるバッフクランの女性司令官ハルル・アジバと、地球側の女性科学者フォルモッサ・シェリル。
この二人のアクの強さときたらスゴイものだったが、作中でとても可愛らしかったり、美しかったりする瞬間がある。
その辺りに、アニメキャラを記号で終わらせずに複雑な人間性を含ませる「湖川式キャラデザインの真髄」を見る思いがした。

とにかく、どのキャラも見飽きない魅力を持っていて、何度も模写してはこの魅力を自分でも表現しようと頑張っていたものだ。
(しかし、描いても描いてもあの線のニュアンスが出ないんですよ(´・ω・`)まるで永遠に辿り着けない蜃気楼のようだったなあ…いやまあ目標値が高すぎるんだということはわかってましたがorz)