オカンは昨日の夜はオトンの好物のトンカツをジュージュー揚げながら豆腐の味噌汁を作り
グリルにはサバの塩焼きを入れまな板の上ではたくさん仕入れた青ネギをトントンと
小気味の良い音をたて小口切りにしていた。さすがベテラン主婦!
ところが束の半分位を切っていたところで、何やらただならぬ異常に気づいた!
作っていたその料理とは別の全く違うツンとした匂いがオカンの鼻をついたのだ。あきらかにあの匂いだ!
慌てて後を振り返るとリビングに置かれたマットの上で特大うん●を排泄し恍惚の表情を
浮かべるマメの顔を見たのだ!あっかん!オカンはすぐさま包丁を置き、ビニール手袋をして
ホカホカうん●をトイレットペーパーで掴みトイレに流しマットを風呂場に持って行き、
たらいに洗剤を入れつけ置きし除菌石鹸で手を洗い戻ってきた。すると次の光景にオカンは愕然とした!
ぎゃー!
今度はフローリングにまた小さいうん●をして、あろうことかマメはそれを踏んで足踏みしていたのだ!
や、やめてー!歳も歳やし目も見えないから怒っても仕方ない。
ヨタヨタ足踏みするマメを抱き上げ風呂場に連れて行き足にシャワーをして洗い流し、除菌シートで拭き取り
また手袋をしてフローリングに重曹スプレーをかけて除菌シートで掃除してマメをきれいなマットに寝かせ
また除菌石鹸で手を洗い半分のネギを切り始めた。こんなこと大したことちゃうわ。微笑みながらトントントン
ともう少しで切り終える青ネギの端を見ながらまたオカンの手が止まった。まさか!
と振り向くとさっき寝かせた新しいマットの上で残りかすうん●を排泄し足踏みするマメをみることになった!
そしてまだ排泄したそうな腰の動きをとっている!えー!まだする!?しかしマメは排泄しながらも、
その四肢はふらふらで今にも倒れそうな体勢だ。オカンは包丁を置き猛スピードでマメのお尻下にペットシートを
敷きマメの前足脇から両手を入れ上半身をささえた。オカンの手にマメの心臓の音がドックンドックンと
早鐘のように伝わってくる。しんどそうだ。排便も高齢のマメにとっては命懸けの行為なのだ。
週刊誌で高齢者が陥るかもしれない便死という記事を読んだ。オカンも必死で声をかける!
「それ!うーんうーん!」しばらくして小さーいうん●がポトっと広げたシートの上に落ちた。
大仕事を終えたマメが再度、恍惚の表情を浮かべた。オカンはシートを始末し、マメの足とおしりを拭いて
除菌石鹸で手を洗い残りのネギの小口切りを終えた。
全てが終わり片付いた家に仕事から帰って来たオトンに冷蔵庫でよく冷やした冷奴の上にネギを乗せて
ビールと一緒に出すと「う〜!うまい!」と喉を鳴らした。今夜のマメのことは言うまい。
とほくそ笑むオカンであった。
しかし超高齢を生き抜くのは本当に大変なことだとマメを見て思う。人間も同じことだ。
超高齢を生き抜く基本とはすなわち食べて排泄の繰り返しだ。
それは本人にとっては命懸けの行為だ。マメが最後までその行為がスムーズに行えるように
サポートしていこうと固く心に誓ったオカンではあったが今日もマメは呑気におやつ爆食いしている。。。
あの心臓ドクンドクンは何やってんやろ。