その折、山中でぐるぐる巻きにされた目印の赤テープを目にしました。
それを見たとき、学生時代の恩師、國次太郎先生のことが思い出されました。
40数年前のことです。
國次先生とは4年生のとき、一度だけ普賢登山をご一緒させていただきました。私がワンゲルということで、また島原出身ということで國次先生のゼミの雲仙登山のガイド役を仰せつかったのでした。
コースは、今は雲仙の大火砕流で消失しましたが、焼山から鳩穴を経ての普賢岳でした。
その時のことです。
山道に入ってすぐ、目印のテープを見るや國次先生はなんとハサミを取りだしてそれを切られたのでした。
えっ!
先生の、思いもしなかった行動に驚きました。
あっけにとられて見ていると、先生は切り取ったテープを近くの枝に付けなおされました。
「どうしてですか?」と尋ねると
「幹にテープが巻いてあると、木が成長するにつれてテープが幹に食い込んで木が傷む」と。
あの時はいたく感動しました。
なんたる自然愛!
先生は常日頃から、誰もいない山の中でそのようなことをされていたのかと。
目印のテープを付けるのであれば、木を傷めない配慮が必要だと教えられました。
さて、今回目にした赤テープ。
迷わないように親切で付けてあるのですが、粘着力の強いテープは簡単には手直しができません。
先生だったらどうされただろうか…
年季の入ったチロリアンハットがお似合いで、
山をこよなく愛されていた國次先生のことが思い出されました。
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