切っ掛けは先輩から紹介された本です。
霧立越の樹木の写真集です。
写真もよかったのですが、私が感銘を受けたのは巻末の「キリタチヤマザクラ発見記」でした。そこには著者秋本治さんが見つけた不思議な桜が新種に認定されるまでと、キリタチヤマザクラと命名されたその桜を植樹で増やす取り組みが書かれていました。
30ページほどの読み物でしたが、行間は霧立への愛情に満ちていました。
もう1冊「草木編」もあることを知り、こちらも取り寄せました。
こちらは草花の写真集ですが、この巻末には「西郷さんも歩いた霧立越」というタイトルで、通る人もなく荒れ果てた霧立越の古道を再生する取り組みが熱く書かれていました。
以下、その要約です。
・1994年に人を案内するために歩いたものの、霧立越の古道はスズタケに覆われるなど荒れていて歩くのに難渋したこと。
・藪はひどかったものの、そこに自生している大きなブナやミズナラの原生林がすばらしかったこと。
・あの道を整備したらハイキングコースになるのではと思い立ち、多くの人(ほとんどボランティア)の力を結集して歩道整備をしたこと。
・1995年5月、「霧立越が歩けるようになりました」と一般参加を募り、霧立越を歩くイベント並びに下山後は椎葉村でシンポジウムを開催したこと。
本編である写真のページをめくると、霧立越を彩る樹木や草花が月ごとに紹介してありました。
写真の1枚1枚に、「霧立越にはこんな木や花があるんですよ」という、草木に対する著者の愛情が伝わってきて、霧立越への憧憬はふくらんでいくのでした。
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