札幌まるやま自然学校

北海道札幌市円山周辺を拠点に、子どもの自然体験活動、人と自然・人と人との豊かな出会いをつくりだす活動を行っています。

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きなこさんのネパール遠征報告part2

2020-04-29 08:04:22 | その他の主催事業

きなこのネパール遠征登山②

いよいよ高度順応のトレーニングです。

キャンジンゴンパの村を見下ろすキャンジン・リという山に手始めに登ります。

最高地点は4700m。氷河地形も見えるダイナミックな光景がひろがっています。

翌日はまる一日かけて、チェルゴ・リ(4985m)に登り、キャンジンゴンパの村に戻ります。

この順応がかなりきつい。時々出会うヤクに癒されながら

「ここでの頑張りが、本番にいいように作用してくれるはず!」と思いながら進みます。

そして、わたしたちの登る山もようやく姿を現してきました。

村を離れてベースキャンプ入り。

ここからはテント生活です。きちんと3度の食事をとるようにこころがけます。

といっても、カップスープとか、レトルトのご飯も半分ぐらいしか食べられません。

夜寝る時は呼吸が浅くなります。ザックやダッフルバックを背に置いて半身を起こすようにして眠ります。

凍ってはいけないものは寝袋の中へ。何度も水分をとるので、トイレも近い!

でもこれを我慢せず、億劫がらずに何度もテントの外へ出て行きます。

音も何も聞こえない。わたしたちのほかには誰もいない。静寂の世界がひろがっています。

昼間はおひさまのあたたかな光にしあわせを感じます。

夕暮れ、暗色に沈んでいくヒマラヤの高峰にゆっくりと見とれ、

夜は峰々のシルエットと満天の星空を見上げます。

2日間滞在した後、いよいよハイキャンプ。アタックをめざします。

ベースキャンプからはゴツゴツ、ゴロゴロ、礫、砂、巨礫の混ざったモレ-ン帯を登ります。

頭のてっぺんがちくちく痛かったけれど、それも収まりました。

岩の合間には高山植物。ヒマラヤの青いケシもここで見つけました。

標高5200m付近、ハイキャンプの近くにはポカリ(ネパール語で池)がありました。

飲み水を確保するうえで、キャンプ地のすぐそばにきれいな水があることが大変重要です。

ポーターのカンニャさんがハイキャンプまでついてきてくれました。

池には氷が一部はっていて、わき出る水の音や氷がぶつかる音が鳴り響きます。ぼこーん、ぎゅううううう…。

一晩中聞こえてくる音はイエティの声? ちょっと不気味です。

12月11日。アタックの日。朝5時に出発。

眠りも浅く、呼吸が浅くなると苦しくて起きてしまいます。溺れる夢を何度も見ました。

真っ暗な中、モレーン帯を登ります。2時間ほど登ったところで日の出です。アイゼンを装着して氷河を登ります。

雪原を歩いたかと思うとまた氷河。氷河を越えたら雪の斜面。

それをなんども繰り返して登ります。クレバスもでてきました。

急な雪面をアッセンダーを使って登るのですが、空気が薄くて10歩登るたびに立ち止まり、

肩で息をします。

出発から6時間。ようやく頂上直下までたどりつきました。

でもここからクライミング…!

Rさんが「行ける行ける!」と声をかけてくれます。その声に支えられ、よし、行くぞ!

そしてナイフリッジを一気に行きます。

<12時45分登頂。

目の前はチベット。シシャパンマがそびえます。

高峰8000mの量感をこんな身近に感じられるなんて。

ここまで来れた!…と、喜ぶのもつかの間。今度は安全に下山しなければなりません。

好きな写真の一枚。

下山途中、わたしたちの上を一羽の鳥が滑空していきました(つづく)。

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