ことばと学びと学校図書館etc.をめぐる足立正治の気まぐれなブログ

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子どもの自発的な学びと成長の広場をつくる(学校図書館自主講座at神戸のご案内)

2012年07月21日 | 「学び」を考える

 

 7月27日(金曜日)の午後に神戸で「学校図書館自主講座」を開きます。学校教育と学校図書館について、その時々のテーマに関心をもった人が自由に参加できるささやかな勉強会ですが、2010年から不定期に開催してきて今回で9回目になります。学校図書館に関わっていなくても、たまたま今回のテーマに関心をもってくださる人がおられたら、どうぞ、ご連絡ください。

 私自身も学校図書館の専門家ではなくて、教師のOBとして参加しています。教室で教科書を中心として(それを補充・発展させる問題集や参考書、その他のメディアを使って)教師主導で行われる授業だけでなく、子どもが自分の興味や関心にしたがって自発的に学ぶことができる、社会に開かれたもう一つの学びの場が学校の中に存在することに大きな意味があると考えるからです。また、学校図書館は、クラスや学年を超えて子どもたち同志が交流したり先生方と触れ合うこともできて、そこから新しい活動を生み出す広場にもなります。私は、そのような学校図書館学校図書館の活動が、制度疲労を起こしている現在の日本の教育システムを学校の内側から補修しながら変えていく契機になるのではないかという、ささやかな期待をもっています。

 さて、7月27日の学校図書館自主講座(9)は、以下のような内容です。

日時:7月27日(金)13:30-17:00

場所:神戸市勤労会館(三宮駅からすぐ)409号室

プログラム:

・イギリスの学校図書館レポート(山本敬子 甲南高等学校・中学校司書)

・学校教育のシステムと学校図書館とのかかわり(足立正治ほか。参加者による話し合い)

 以上、前半は、まず、今年の3月にイギリスの学校図書館を訪問された報告を聞き、その後、その他の諸外国の事例も参考にしながら学校の教育システムと学校図書館のかかわりを探りたいと思います。

(休憩)

・ホリスティックな教育観と学校図書館(足立正治 大阪樟蔭女子大学非常勤講師)

 休憩をはさんで後半は、子どもの知的側面だけでなく感性や身体性も含めて調和のとれた人間としての成長を援助するという観点から、私たちの教育実践を見なおしたいと思います。

問い合わせ・参加申込:

HCEkobe@gmail.comまたは左欄の『メッセージを送る』を利用してください。

 夏の暑い盛りですが、午後のひと時を、これからの学校教育と学校図書館について語りあって過ごしましょう。平日の午後で恐縮ですが、もしも夏季休暇がとれるようでしたら、旅行を兼ねて遠方からの参加も歓迎いたします。

<参考文献>

古山明男『変えよう! 日本の学校システム 教育に競争はいらない』(平凡社、2006)

変えよう! 日本の学校システム 教育に競争はいらない
クリエーター情報なし
平凡社

松戸宏予「イギリスの特別なニーズ教育と学校図書館の関わり:社会背景と学校図書館調査事例をもとに」(図書館情報メディア研究 3 ( 1 )  , pp.89 - 120 , 2005-09-30 , 「図書館情報メディア研究」編集委員会)
『カナダ・アメリカに見る学校図書館を中核とする教育の展開』全国学校図書館協議会 (2006/03)

カナダ・アメリカに見る学校図書館を中核とする教育の展開
クリエーター情報なし
全国学校図書館協議会

『北欧に見る学校図書館の活用』全国学校図書館協議会 (2007/04)

北欧に見る学校図書館の活用
クリエーター情報なし
全国学校図書館協議会

『シカゴ・ボストン・ニューヨークに見る探究学習を支える学校図書館』全国学校図書館協議会(2009/07)

シカゴ・ボストン・ニューヨークに見る探究学習を支える学校図書館
クリエーター情報なし
全国学校図書館協議会

『オーストラリアに見るコミュニケーション力を培う学校図書館』全国学校図書館協議会 (2011/05)

オーストラリアに見るコミュニケーション力を培う学校図書館
クリエーター情報なし
全国学校図書館協議会

白井京「韓国の学校図書館、改革への多様な試み」

Youth-Serving Libraries in Japan, Russia, and the United States
日本、ロシア、アメリカの学校図書館

Youth-Serving Libraries in Japan, Russia, and the United States
クリエーター情報なし
Scarecrow Pr

フィンランドの学校図書館の動向

A Good School Libraries in Finlandフィンランド学校図書館協会作成の学校図書館モデル)

 ちなみに、私は、2002年以来、ヘルシンキ大学のユリア・エンゲストローム教授の活動理論の考え方を学校図書館の活動に活かすために、「学校図書館ジャムセッション」という自主研修の形で過去6回にわたって実践・提唱してきましたが、2011年になってフィンランドの学校図書館における実証的研究が相次いで発表されました。2010年にエンゲストローム教授が来日されたときに尋ねたときには、学校図書館の実践はフィンランドよりも日本の方が優れていると聞いていると言っておられたことを考えあわせると、感慨深いものがあります。
 
以下は、その2011年に発表された活動理論にもとづく二つの実証的研究です。学校の教育実践に影響を及ぼしている「学校文化」の発展的変容と生成に学校図書館がどのように関わるかをテーマにしています。

SCHOOL LIBRARY: A TOOL FOR DEVELOPING THE SCHOOL’S OPERATING CULTURE

Kurttila-Matero, Eeva; Huotari, Maija-Leena; Kortelainen, Terttu. “A New Operational Culture: The Case of the School Library in the Information Society Project in the City of Oulu, Finland”.Global Perspectives On School Libraries. Marquardt, Luisa; Oberg, Dianne eds. De Gruyter Saur, 2011, p.57-70, ( IFLA publications, 148).

Global Perspectives on School Libraries: Projects and Practices (Ifla Publications)
クリエーター情報なし
Walter De Gruyter Inc

 

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