年の暮れには、あわただしくバタバタとしていたのに、大晦日から一夜明けると、なぜか落ち着き、威儀を正して新しい年を迎える。清々しく、まるで昨日までの自分がリセットされたようだ。截然と区切ることで気持ちを新たにする仕掛けが年越しの習わしなのだろう。初日の出、初詣、初…なんだっていいのだが、人それぞれのやり方で、昨年中にため込んできた要らぬものを捨てて、新しい自分を生きるきっかけになれば、こんなめでたいことはない。
だが、近年は若い頃のように期待感や高揚感といったものをだんだん感じなくなっている。歳のせいだろうが、正月気分の世間には馴染まないし、年賀状も若い人はあまり書いてこなくて、圧倒的に小中高校時代の同級生や恩師からのものばかりだから、次世代につながる夢や希望に心を動かされることはめったにない。この歳になれば、高齢者の生き方を考え、終活につとめるべきなのかもしれないが、老人の枠に閉じこもりたくはない。
だからといって、希望に満ちた若い人たちについていけるわけではないが、彼らの姿を見失わないようにしたい。だから、これからも多様な人たちが交わって学びあう場を創りつづけることにしよう。ジョン・デューイの読書会や学校図書館自主講座はもちろん、みんなの気が合えばジャムセッションや絵本サロン、その他のシンポジウムなども再開できればいい。今月から朗読の勉強会もはじめることになった。久しぶりに竹内敏晴さんのレッスンなどを思い出しながら朗読の技術を磨き、表現や場の共有について体験的に学ぶ機会になるだろう。
といっても、何もかも一気にというのではなくて、風の吹くまま気の向くまま、気分が乗ればどこまでも、不定期につづけられるところまで…というのが、ぼくのスタイルだ。学ぶことは生きることであり、生きることは学ぶことにほかならない。参加する者ひとりひとりが学び合う喜びや探究する喜びを体感できる場、愉快な気が交流する交歓の場をつくっていきたい。
ということで、これまでご一緒してくださった皆さん、そして、これから仲間に加わってくださる方々も、本年も、どうぞよろしくお願いします。
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