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映画&音楽のレビュー&日々起こる時事に絡めて商品をピックアップしながら論ずるブログです。Twitterとも連動中です。

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映画『龍が如く 劇場版』を鑑賞。

2007-03-02 23:17:22 | Weblog
 10年の刑期を終えた伝説の極道・桐生が神室町に戻ってきた。彼は9歳の少女・遥と出会い、彼女が探す母親が自分の探す恋人と姉妹であることを知る。そんな桐生を、彼に恨みを持つ狂気の極道・真島がつけ狙っていた。

 私はゲームをやらないので、ゲーム版の『龍が如く』を知らないでの鑑賞。監督が三池崇史という事で期待が大きい。私が三池作品を劇場で見るのは『アンドロメディア』『日本黒社会』『ゼブラーマン』以来の4本目、しかも主演は『日本黒社会』の北村一輝。
 
 映画の舞台は架空の町、神室町。といってもどう見ても新宿の歌舞伎町。映画は複数のパートが同時進行に描かれる。北村一輝演じる桐生と夏緒演じる遥の母探し、岸谷五郎演じる真島とその子分たち、塩谷瞬とサエコの強盗カップル、まぬけな銀行強盗と刑事たち、コン・ユのヒットマンなど複数のパートが複雑に絡み合いながら映画は進行する。

 映画の感想
 面白かった。久々に見た三池作品、元気にはじけている。オープニングの激安の殿堂サンチョ・ナンテ店内での桐生と沢山のヤクザとの大立ち回りからして快作の予感。先日見た『バッテリー』では気の弱そうな野球オンチの主人公の父を演じた岸谷五郎が、バッティングセンターを拠点としたヤクザの親分で、バットで人を殴り、ボールを打ち相手を倒し、ガンアクションから殴り合いまで、ねっちりとしたヤクザを楽しそうに好演している。そして遥を演じた夏緒の物怖じしない凛とした表情がいい。塩谷瞬とサエコの”ボギーとクライド”ばりのバカップルも面白い。その他、哀川翔、松重豊、田口トモロヲ、遠藤憲一、荒川良々、みんなイイ仕事をしている。ラストの真木蔵人と北村一輝の一騎打ちは『ドラゴンへの道』のブルース・リーとチャック・ノリスのコロシアムでの一騎打ちを思い出した。

 ところで映画を見て感じたことは「龍が如く』のゲーム版っていうのは、どういうゲームなんだ?ヤクザがモンスターかエイリアンみたいに次から次へと出てきてバタバタ倒すゲーム? 
 話は戻って、映画の話は有ってないような物、とにかくヤクザ達が大暴れするアクションコメデイのような作品、クレイジーケンバンドの歌もいい、ゲームを知らなくても楽しめる作品でした。

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映画「ゴーストライダー』を鑑賞。

2007-03-02 23:06:17 | Weblog
 17歳の時、病気の父を救うため悪魔メフィストと取引し魂を売ったジョニー。 30歳になったジョニーが、最愛の女性ロクサーヌと再会したとき、再びメフィストが現れ、自分に逆らい新しい地獄を作ろうとする魔界の反逆者ブラックハートを捕らえる使命を彼に言い渡す! 

 まずキャストの話から、映画は青年時代のジョニーから始まる。若いジョニーを演じた役者が良かったのだが、あっという間に30歳?のニコラス・ケイジの登場。って言うか全然30歳に見えない、40過ぎの中年男がカツラを被って若作りをしても無理がある。私もニコラス・ケイジは大好きなのだが今回の主人公役にはミスキャストだったと思う。無名の新人、もしくは若い俳優を主役にして欲しかった。ニコラス・ケイジでは手垢が付きすぎてしまってニコラス・ケイジにしか見えないのが難点。上半身裸になるシーンがあったが凄く鍛え上げられていてビックリ。
 その他のキャストに、悪魔メフィストにピーター・フォンダ、墓の番人?サム・エリオットなど渋めのキャストに、ブラックハートにウェス・ベントリー、綺麗どころのエヴァ・メンデスなど。
 監督は『デアデビル』『エレクトラ』のマーク・スティーヴン・ジョーンズ。

 映画の感想
 まず日本だったら絶対にアニメで作る作品を、VFX満載の実写で制作してしまうのがアメリカらしい。原作が1973年に書かれたものなのでバイクスタントマンが主人公と言うのが古い。ジョニーの役はまんまイーベル・クニーベル(70年代活躍したバイクスタントマン)だし、好きな曲がカーペンターズの『スーパースター』だし、とにかく古い。
 ジョニーのキャラ設定も、悪から善ということで日本の『デビルマン』『仮面ライダー』に近いキャラで、造形は革ジャン姿の『黄金バット』の様だがVFXが素晴らしい。
 でも面白いかと言うと、かなり退屈だった。ヒーローの造形に魅力を感じないのと、演出にタメが無くドバーッとやってしまうので見ていてワクワクしない、悪魔の出し方などもう一工夫が必要。チョッと『コンスタンティン』にも似ているかもしれない。
 とにかく迷惑なヒーローでゴーストライダーが街を駆け抜けると町が滅茶苦茶になってしまうのが難点。『マーベルコミック』作品で御馴染みの創設者スタン・リーの顔見せが今回は発見出来なかったのが残念。

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映画『蒼き狼 地果て海尽きるまで』を鑑賞。

2007-03-02 22:57:48 | Weblog
部族間の闘争が激化していた12世紀のモンゴル。ボルジギン族の長の妻ホエルンが出産。テムジンと名付けられたその子こそ、後のチンギス・ハーンである。 14歳になったテムジン。父親を対立する部族に殺害されると、母親が敵から略奪された身である事を理由に、部下たちから見捨てられてしまう。やがて青年に成長したテムジンはリーダーとしてのカリスマ性を発揮。そしてホルテを妻に迎え、次第に勢力を拡大するだった。

 まず歴史に疎い私にとって「何で今、チンギス・ハーンなの?」って所から食い付きの悪い状態での鑑賞である。しかも角川春樹製作って、何かまたバブル前夜の匂いを感じさせるプロモーションで、構想27年ってことは春樹は1980年の『復活の日』や『野獣死すべし』を製作をしながら『蒼き狼』の事を構想しだした事になる。うーん広大な妄想をしていたんだな・・・春樹。

 映画は、テムジン(チンギス・ハーンと呼ばれる前の名前)の誕生のエピソードから始まる。テムジンの母(若村麻由美)が敵の部族に略奪され、その族長の子を出産し、その子供がテムジン。子供時代のテムジンのエピソードが手短に描かれ、あっという間に青年となったテムジン役の反町隆史の登場である。それにしても若村麻由美と反町隆史が母子役なんて無理がありすぎで夫婦か姉と弟にしか見えないのが難点。
 その後テムジンは妻を迎え、勢力を拡大して行くのたが、妻は敵の部族に略奪され、奪い返すのだが敵の族長の子を宿す。自分と同じ運命の子を殺そうとするが母と妻から諭され、その子をジュチ(よそ者)と名づけ育てる事になる。そして、またあっという間に青年になったジュチ役の松山ケンイチの登場である。
 それにしてもこの映画の女性の扱いは酷い、女性は戦い勝った部族の戦利品で、セリフにも出てくるのだが「女は快楽と子を産む道具だ!」と今、正に国会で問題になっている「子供を産む機械」発言に等しいセリフに絶句。この映画を野党の女性議員たちに見せたら激怒することだろう。まさか柳沢厚生大臣にはモンゴルの血が流れている?

 とにかく本作は、2時間16分という上映時間を物凄いスピードで進んでゆく為ドラマの掘り下げが浅く、迫力の戦闘シーンとのバランスが非常に悪い。特にジュチの子供時代のエピソードが描かれていないのは致命傷。一度は自分の手で殺そうとした息子との確執や葛藤を描かないと、テムジンとジュチの後のエピソードに結びつかず二人の関係の空虚感だけを感じた。

 映画の感想
 つまらなかった。映画全体がチンギス・ハーンの人生をダイジェスト版で見せられているようで、角川作品で『Wの悲劇』や『早春物語』を監督した澤井信一郎と思えないほどの薄っぺらなドラマであり、主演の反町隆史だけが一人で力み目を剥き大声でがなろうが観客の心の中には響かない。推測だが、角川春樹の考えでは1990年の『天と地と』の夢をもう一度、という願望があったのでは?
『天と地と』のキャッチコピーが「赤と黒のエクスタシー」ならば、本作は「蒼と大地のエクスタシー」とでも考えがあったのではないか。そういうことで戦闘シーンに比重を置いてドラマは二の次的な姿勢を感じられた。
 それから音楽についても一言書かせて頂くが、まず岩代太郎のスコアがヴァンゲリスのスコアに似ている事。彼は『日本沈没』でも『シンドラーのリスト』をパクっていたし自分のオリジナリティと言う物がない作曲家である。
 そして主題歌、予告を見た時から感じていたが『タイタニック』のセリーヌ・ディオンの「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」に似ている事。特にサビの音がオクターブ飛ぶところなんてソックリでパクリって言われてもおかしくない。

 まぁ迫力の戦闘シーンは十分迫力のあったことは認めるが、ドラマの気薄さと複雑な人間関係の判りにくさなどの課題は大きく残った。エンドロールで原作が森村誠一だと知りまたびっくり。
 そして何より「何で今、チンギス・ハーンなの?」って疑問は最後まで解ける事はなかった。

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映画「パフューム ある人殺しの物語」を鑑賞。

2007-03-02 22:41:58 | Weblog
 18世紀パリ。 悪臭立ちこめる魚市場で1人の子供が産み捨てられる。 名をジャン=バティスト・グルヌイユ。 彼に神が唯一与えたのは、あらゆるものを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚だった。 彼は天才香水調合師として世間を驚かせる芳香を生み出していく。 だが、時を同じくして、パリを震撼させる連続殺人が発生していた…。

 映画はグルヌイユの出生から始まるのだが、独特の湿度を持つ映像で同じヨーロッパ圏の監督ジャン・ピエール・ジュネを思わせる全てを絵で語る映像で、ジョン・ハートのナレーションと共にスピーディーに映画は進む。
 薄気味悪い赤ん坊から、少年時代、そして青年になったグルヌイユは女性の匂いに魅せられ殺人まで犯してしまう。そして、その女性の匂いを保存する方法を探す為にハリウッドいち鼻の大きいダスティン・ホフマン扮する調合士に弟子入りをし香水作りに没頭する。
 そしてグルヌイユは究極の匂いを求めて次から次へと少女の殺人に手を染めてゆく。

 映画の感想
 面白かった。それにしても嗅覚をテーマにした究極のフェチ+サスペンスミステリー映画という新ジャンルの作品で面白いし演出が卓越している。暗闇の使い方や、獲物を狙う目線、犬の使い方など『エイリアン』のリドリー・スコットを彷彿させる。ぜひ『エイリアン』の新作を作る時には本作のトム・ティクヴァ監督で製作して欲しい。ただラストの解釈が釈然としないのが難点。原作があるのだからしょうがないのかもしれないが、あの二つのオチは納得出来ない。前半から中盤にかけて本当に素晴らしいのだが、あのオチのせいで見終わった後の着地点の悪さがつきまとってしまった、実に勿体無い。

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