映画の話
2003年、火星にビークル2号探知機を打ち上げるが、火星に到着後NASAとの交信が途絶えてしまう。その後、アメリカ、パリ、東京、さらにはアメリカ大統領の乗るエアフォース・ワンの機内など、世界中の至るところで同時期に奇妙な現象が起きる。人間たちは、それが地球上のあらゆるテクノロジーをスキャンする知能を持つ“金属生命体”のしわざだとは知らず……。
製作総指揮のスティーブン・スピルバーグと監督のマイケル・ベイが揃って日本語で挨拶をする予告を見た時に感じた違和感。マイケル・ベイといえばジェリー・ブラッカイマーの申し子的な存在で、スピルバーグとは水と油のような関係と思っていただけに、今回のコラボレーションがどのような化学反応を起こすのか楽しみにしていた作品である。
出演者は、SFXにお金が掛かってしまったのか若手の新人たちが多く、主演のシャイア・ラブーフは「コンスタンティン」でキアヌ・リーブスの助手をしていた青年で、いつのまにかこんな超大作の主演を勤めるようになったのは正直驚いた。
その他にジョン・ヴォイト、ジョン・タトゥーロのベテラン勢がサポートしている。
映画の感想 ややネタバレあり。
これは正しく日本のアニメが描くロボット対戦ものを実写で描いた娯楽作で、スピルバーク色は弱く、マイケル・ベイらしい力ずくで押し切るロボットアクション大作である。
幕開けに、謎の生命体による米軍カタール基地への襲撃を描き、観客をショック状態にして、謎の物体に対する対応を時系列で進む話は、スピルバーグの「未知との遭遇」を思わせる展開で期待をするのだが、主人公のサムが登場してから話の雲行きが悪くなってくる。何せサムは高校生なので車が欲しい、ガールフレンドが欲しいやら、今時の高校生そのもので、映画はベイ初の青春物語に変貌してゆく。
本作は3つの舞台が同時進行で進んで行き、主人公のサムと、カタール基地から生き残った兵士たちと、ペンタゴンに集められたハッキングのプロたちの活躍が描かれ、そこにアメリカ政府、米軍、トランスフォーマーを研究する「セクター7」が絡み、大騒動に発展してゆく話で、SFを期待すると裏切られる。マイケル・ベイらしい大味のロボット対戦ものと思ってみた方が良い。
ドラマは主人公と同じ低年齢の観客を意識したのか、重量級のアクションとコメディ色の強い話で非常にバランスが悪い。ベイの演出も「バッドボーイズ2バッド」辺りからドラマとアクションのバランスの悪さが気になっていたが、本作も何とも居心地の悪いドラマだ、どちらかと言うと「インデイペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒの演出に近い感覚。エメリッヒはもともとスピルバーグを意識した演出をする人物で、いつのまにかご本家がエメリッヒのテイストを吸収してしまったみたいな不思議な作品で、特にエメリッヒっぽいのは、過去に飛来したトランスフォーマーを研究する「セクター7」で、「ID4」で描かれた「エリア51」のエピソードに似ているのは笑った。
しかし、SFXの出来は素晴らしい。ある物体からロボットにトランスフォームする様はコマ送りで確認したいくらいの出来で、実際にその場所にロボットが居るみたいで、最後のロボット対決は凄い。この映画の凄い所は、ロボット同士の対決の中心に人間たちが居る事で、爆風で人々が吹っ飛び、ロボットの中を逃げ惑う人々がちゃんと描かれていて、日本の怪獣映画で感じられないカタルシスを感じる事が出来る。日本の怪獣ものは、人間は安全な所にいるか、飛行機、車、怪獣型のマシンを操縦して怪獣と戦うのだが、本作では武器を持って生身の人間がロボットと対戦するので見ていて感動さえ覚える。この辺はベイの力の見せ所で演出も冴えまくっている。それにしてもベイは軍隊と車が好きなんだね、ベイのヲタクぶりが画面からにじみ出ている。
映画全体を見ると明らかにマイケル・ベイ作品そのもので、ベイ作品が好きな人には大歓迎されそうで、ロボット、怪獣、軍隊ものが好きな人にも歓迎されそうな内容。
まぁ、それにしても子供の玩具からスタートしたキャラクターものが、ココまでの作品を実写で作るアメリカ映画にはアッパレである。
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2003年、火星にビークル2号探知機を打ち上げるが、火星に到着後NASAとの交信が途絶えてしまう。その後、アメリカ、パリ、東京、さらにはアメリカ大統領の乗るエアフォース・ワンの機内など、世界中の至るところで同時期に奇妙な現象が起きる。人間たちは、それが地球上のあらゆるテクノロジーをスキャンする知能を持つ“金属生命体”のしわざだとは知らず……。
製作総指揮のスティーブン・スピルバーグと監督のマイケル・ベイが揃って日本語で挨拶をする予告を見た時に感じた違和感。マイケル・ベイといえばジェリー・ブラッカイマーの申し子的な存在で、スピルバーグとは水と油のような関係と思っていただけに、今回のコラボレーションがどのような化学反応を起こすのか楽しみにしていた作品である。
出演者は、SFXにお金が掛かってしまったのか若手の新人たちが多く、主演のシャイア・ラブーフは「コンスタンティン」でキアヌ・リーブスの助手をしていた青年で、いつのまにかこんな超大作の主演を勤めるようになったのは正直驚いた。
その他にジョン・ヴォイト、ジョン・タトゥーロのベテラン勢がサポートしている。
映画の感想 ややネタバレあり。
これは正しく日本のアニメが描くロボット対戦ものを実写で描いた娯楽作で、スピルバーク色は弱く、マイケル・ベイらしい力ずくで押し切るロボットアクション大作である。
幕開けに、謎の生命体による米軍カタール基地への襲撃を描き、観客をショック状態にして、謎の物体に対する対応を時系列で進む話は、スピルバーグの「未知との遭遇」を思わせる展開で期待をするのだが、主人公のサムが登場してから話の雲行きが悪くなってくる。何せサムは高校生なので車が欲しい、ガールフレンドが欲しいやら、今時の高校生そのもので、映画はベイ初の青春物語に変貌してゆく。
本作は3つの舞台が同時進行で進んで行き、主人公のサムと、カタール基地から生き残った兵士たちと、ペンタゴンに集められたハッキングのプロたちの活躍が描かれ、そこにアメリカ政府、米軍、トランスフォーマーを研究する「セクター7」が絡み、大騒動に発展してゆく話で、SFを期待すると裏切られる。マイケル・ベイらしい大味のロボット対戦ものと思ってみた方が良い。
ドラマは主人公と同じ低年齢の観客を意識したのか、重量級のアクションとコメディ色の強い話で非常にバランスが悪い。ベイの演出も「バッドボーイズ2バッド」辺りからドラマとアクションのバランスの悪さが気になっていたが、本作も何とも居心地の悪いドラマだ、どちらかと言うと「インデイペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒの演出に近い感覚。エメリッヒはもともとスピルバーグを意識した演出をする人物で、いつのまにかご本家がエメリッヒのテイストを吸収してしまったみたいな不思議な作品で、特にエメリッヒっぽいのは、過去に飛来したトランスフォーマーを研究する「セクター7」で、「ID4」で描かれた「エリア51」のエピソードに似ているのは笑った。
しかし、SFXの出来は素晴らしい。ある物体からロボットにトランスフォームする様はコマ送りで確認したいくらいの出来で、実際にその場所にロボットが居るみたいで、最後のロボット対決は凄い。この映画の凄い所は、ロボット同士の対決の中心に人間たちが居る事で、爆風で人々が吹っ飛び、ロボットの中を逃げ惑う人々がちゃんと描かれていて、日本の怪獣映画で感じられないカタルシスを感じる事が出来る。日本の怪獣ものは、人間は安全な所にいるか、飛行機、車、怪獣型のマシンを操縦して怪獣と戦うのだが、本作では武器を持って生身の人間がロボットと対戦するので見ていて感動さえ覚える。この辺はベイの力の見せ所で演出も冴えまくっている。それにしてもベイは軍隊と車が好きなんだね、ベイのヲタクぶりが画面からにじみ出ている。
映画全体を見ると明らかにマイケル・ベイ作品そのもので、ベイ作品が好きな人には大歓迎されそうで、ロボット、怪獣、軍隊ものが好きな人にも歓迎されそうな内容。
まぁ、それにしても子供の玩具からスタートしたキャラクターものが、ココまでの作品を実写で作るアメリカ映画にはアッパレである。
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