オフブロードウェイのNew World Stageに移ってからの初めての観劇、劇場は変わっても、なんか実家に帰ってきたようでうれしい!!
オフブロードウェイに引っ越した直後は、キャストも小さくなったと聞いていたのですが、私が観た時は、キャストの大きさもブロードウェイの時と変わらす、舞台はやや小ぶりになったものの、本来の世界観をきっちりと見せてくれていました。興行も順調なようです。
「あ~、これが私の見たかったジャージー・ボーイズだ!!」と胸がいっぱいになりました。
2017年にLAで観たアーロン・デ・ジーザスがフランキー。ツアーのフランキーとして活躍した後、オフブロードウェイにやってきました。ファルセットの再現度が高く、安定したパフォーマンスを見せてくれます。新しいキャストも入っていましたが、全体のバランスも良かった。客席もブロードウェイの時と変わりなく、笑いどころでしっかり笑う、盛り上げどころでしっかり盛り上がる…舞台の客席の息もピッタリ。
本当に、このままずっとずっとニューヨークでジャージー・ボーイズを続けてほしい!!と願わずにはいられませんでした。
今回、もっとも印象に残ったのが「秋」のパートでした。第2幕の前半、ニックが語り手となり、グループの中の様々な亀裂が次第に露になっていくところですね。しかし、一方では、そこでは、Bye Bye Baby, Stay, Let's Hang Onなどの綺羅星のようなヒット曲もたくさん歌われます。グループ内の亀裂とは別に、質の高い音楽を次々と生み出していったことは感動であります。また、どんなにいざこざを抱えていても、それぞれ帰属するところは紛れもなくフォーシーズンズという「バンド」だったんだということを強く印象付けるものでした。
私は、ここの部分を、真正面から、逃げも隠れもせずに描くブロードウェイ版が本当に大好き!!深い愛を感じますね(笑)
「バンド感が殆どない」日本版を見た後だったので、なおさらそういう印象が強かったのかもしれません。
でもね…「フォーシーズンズというバンドは彼らの人生そのものだった!」のだから、「あくまでもバンドの話として表現して何が悪いの?」……っていうか、むしろ「バンドとしての表現が中心に来るべきでしょ??!!」
ジャージー・ボーイズがジャージー・ボーイズである以上、ここは絶対譲れない!今回久しぶりのブロードウェイ版を見て、私は心底そう思いましたよ。
今や、ジャージー・ボーイズは日本でも安定の人気ミュージカルになりつつあります。これは大変うれしいことです。これがブロードウェイで初めて上演されたときは、ベビーブーマーの白人のワーキングクラスが観客のほとんどを占めていて(男性多め)私も最初に観た時は、その客層に驚いてしまったのを覚えています。そもそも、人種のるつぼと言われるニューヨークのど真ん中で、こういう大きな集団に出くわすことはまずない…
それから、観客もだんだん多様になり、やがては英語圏以外でも上演されるようになりました。感無量というしかありません。
ところで、先日の(2年半ぶりの)トニー賞授賞式の記念放送で、「ジュークボックス・ミュージカル」について取り上げられていて、なんかいろいろ解説されていましたが…ああいうのって、どうもね…「ジュークボックス・ミュージカルの金字塔がジャージー・ボーイズ」?…そんなもん、あたりまえやわ。そんなこと言われても、私は今さら喜びません。
私にとっては、「ジュークボックス・ミュージカル」っていう呼び名は「ミュージカルはオリジナルの楽曲を使っている作品しか認めない!」って人から締め出されたミュージカルですからね。差別用語じゃないんですか、あれって?(笑)
で、バンドとしてのライブ表現が多いと「演劇的じゃない」とか言われ、ライブ表現を抑えて、道行く人なんかを登場させれば「演劇的で素晴らしい」とか言われ…「はぁ~?」って感じ…一つのプレイとして、もっと広く、深くとらえることができないものでしょうか?
私は、ジャージー・ボーイズはたとえ「ストレートプレイ」だったとしても面白いと思っていますよ。人物の描写と配置の面白さ、脚本のち密さ…たまたまミュージシャンの話だった…っていうだけです。
私はジャージーボーイズが「ジュークボックス・ミュージカル」というカテゴリーに押し込められているかぎり、いや…「ジュークボックス・ミュージカル」という呼び名がある限り、この作品の真価が理解されることはないのではないかと思えてなりません…久しぶりのブロードウェイ版を見て、いっそうこの思いを強くしました。
オフブロードウェイのジャージー・ボーイズは11月に始まります。自分は行けないと分かっているんで(涙)何日からだったかはハッキリ覚えていません。観に行けそうな方は、ぜひご覧くださいね♪
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