JERSEY BOYS(ジャージー・ボーイズ)シカゴ・プロダクションの話
シカゴのBank of America Theatreで好評上演中のJERSEY BOYSが、市当局から、劇中の喫煙シーンを止めるようにと命じられました。あらら…
シカゴでは、公共の場所での禁煙は全面禁止になっているとのこと。「舞台」における、「劇中」喫煙はどう考えられるべきなのか…
たしかに、JERSEY BOYSは喫煙シーンが多いです。設定が喫煙に寛大だった時代なわけですし。Four Seasonsの結成から殿堂入りまでの40年近くの長きにわたって、メンバーの人生や、ドゥワップからBritish Invasion、New Rockからディスコ・ブームなど、音楽とその周辺文化の流れなども忠実に見せられるのですが、そのメインとなる「場」はあくまでもクラブ、スタジオなどの「インドア」なんです。「テーマのスケールの大きさ」と対照をなしているかのような、「ギュッと凝縮された場の設定」というのが、このショーのクオリティーであり、魅力であると私は理解しているわけで…だから、smokingも重要な手段のひとつなのですよ。
前回、ブロードウェーで、かなり前の席で観たときは、確かに…「こんな煙が立ち込めたステージで、よく咳き込むこともなく歌が歌えるな~凄い(なんて、素直に感心…)これって、特別なタバコ?」なんて思いながら観ていたように思います。記事によれば、舞台で使っているのはtobaccoではなくてherbal cigarなんだそうですが…(どう違うのかはワカリマセン)
いずれにしても、私も私の家族もタバコは吸いませんし、私など、(自慢じゃないけど)電車で禁煙席が取れずに煙が立ち込める車両に乗ることを余儀なくされたときの「怒り」は相当なものですよ!しかし(ここからが大事!)JERSEY BOYSの喫煙シーンはごく普通に受け入れられましたけどね。
Chicago Tribune紙によれば、市当局も、これまで劇中の喫煙シーンをどう解釈するかについては態度を保留したままで、実際、どれとは言わないが、シカゴで上演中の舞台で喫煙シーンがあるものはJERSEY BOYSの他にもあるらしい。ただ、今回は、このショーの後援者の一人が市に訴えたことが事の発端となったのだそうです。市としては、そのような訴えがあれば、プロダクションに喫煙をやめるように命じるしかないし、そうなれば、プロダクション側としては従うしかない…ということらしい。
これについては、一人の市議会議員が、特例として劇中の喫煙を認めるように動いたようですが、なにぶん、この議員の先生はまだ「新米」だったようで(?)、エスカレートする嫌煙パワーに抗うことはできなかったらしい。一方、ファンの間では、市に陳情書を提出しようと提案する動きもあるみたいですね。
ファンの怒りと落胆は相当なものであることは容易に理解できます。「今度はf-wordと発砲シーンが槍玉に上がり、そのうちにストロボの使用までも~」なんて皮肉な見解も…
あ~あ…
これで私も、「シカゴでJERSEY BOYSを観る」…という「選択肢」は消えましたな!
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