SEINFELD(となりのサインフェルド)8-1、The Foundation(彼女を忘れるな)では、Kramerが自信をなくしていたElaineに「魔法の言葉」をかける。
このシーズンのKramerは、他のエピソードでもJerryの「歯科医差別」に対して鋭くご意見していますし、なんかやたらとお説教を垂れたがってる感じですよ。まぁ、このキャラクターは「回し」なんですけど、立派に役割を果たしている感じです。
さて、ElaineはPeterman氏のカタログ会社の商品を仕入れるために6週間メキシコに行っていました。いろいろ刺激を受けて社に戻ってきてみると、当のPeterman氏はやる気も何もなくなっていて…「美味しいパイナップルが食べたい」という理由で勝手にミャンマーへ行ってしまうのです。ビジネスはElaineに「丸投げ」。
「私にはとても無理!」とJerryの部屋で愚痴っていたElaineでしたが…
KRAMER: Hey. What's wrong?
(やぁ!おい、どうした?)
ELAINE: Oh, Peterman ran off to Burma, and now he wants me to run the catalog. Well, I'm just gonna tell him no. I can't run the catalog.
(Peterman氏がビルマへ逃げてしまったの。で、私にカタログをやれって…でも、私にはできませんって言わなきゃならないと思ってるの。)
KRAMER: Whoa, whoa. Can't? When did that word enter your vocabulary? What, is the job too difficult? What, you don't have enough experience? Oh, you're not smart enough? Where's your confidence? Look, Elaine, let me tell you a story. When I first studied karate...
(はぁ~~?「できない」だって?いつ辞書にその言葉が載ったんだ?それってそんなに難しい仕事か?自分は経験不足だと思っているのか?自分にそんな才覚がないとでも?自信はどうした?俺の話を聞けよ、Elaine。俺が最初に空手を習い始めたとき…)
ELAINE: Karate?(空手?)
KRAMER: Yeah, karate. I had no support. Not from him, not from Newman, no one. The first time I sparred with an opponent, I was terrified. My legs, they were like noodles. But then I looked inside, and I found my katra.
(ああ、空手だ。俺には何の助けもなかった。Jerryからも…Newmanからも、誰からもだ。最初に相手とスパーリングをしたときは、そりゃ怖くて、足はヌードル状態でガックガクだったさ。だが、俺は自分の内面を見てみた。するとそこにkatraがあることに気付いたのさ。)
ELAINE: Katra?
KRAMER: Yeah, your spirit, your, uh, being. The part of you that says, "Yes, I can!" So I listened to my katra and now I'm dominating the dojo. I'm class champion.
(ああ、霊というか…存在そのものみたいものだ。そこが「君にはできる!」と言ってくれるんだ。で、俺はkatraに耳を傾け、でクラスを制覇して、チャンピオンになった。)
Elaine、目が輝きだす
ELAINE: Well, you know, I, I have watched Peterman run the company.
(そうよね…そうよ、私はPeterman氏がカタログをやるのをずっと見てきたのよ。)
KRAMER: Sure you have.
(そのとおり。)
ELAINE: I know how to do it. Pair of pants, a stupid story, a huge markup. I can do that.
(どうやればいいか分かってるわ。パンツとか売るのに…しょうもない話を作り上げてさ…私にだってできるわよ!)
KRAMER: You follow your katra, and you can do anything. Now get out of here.
(katraに従えば、何だってできるのさ。さぁ、こんな所にいないで仕事に行くんだ。)
ELAINE: Okay.
(ええ!)
うわぁ~感動的!
Go, ELAINE!
…と、言いたいところですが…
なんでもKramerの空手クラスって、実は「子どもばかりのクラス」で、そこでチャンピオンになってるに過ぎないことを知ったJerryは呆れ顔!
でも、そうとは知らずに、すっかりその気」のElaineがオフィスから電話をかけてきます。
葉巻を吹かしたりして…すっかり女社長ですよ!
ELAINE: Hey, hey. Me. Talking. You know, between you and me, I always thought Kramer was a bit of a doofus, but he believed in me. *You* did not. So as I see it, he's not the doofus. *You* are the doofus.
(ちょっと、ちょっと、私が話してるのよ。ここだけの話だけれど、私はずっとKramerはちょっと間抜けだと思っていた。でも、彼は私を信じてくれた。あなたはそうじゃなかった。だから、私が思うに、彼は間抜けじゃない。あなたが間抜け!)
JERRY: Oh, I'm the doofus?
(おお、そうかい?)
ELAINE: Yeah. You, Jerry, are the doofus.
(そうとも、Jerry、あなたが間抜け!)
JERRY: You know, it occurs to me that Kramer is at karate right now.
(あっそう、そういや、Kramerは今空手をやってるはずだよ。)
ELAINE: Oh, well, maybe I'll just go down there and thank him in person.
(ああ、だから、彼に直接お礼を言いに行こうと思ってる。)
JERRY: Yeah, that's what I was thinking.
(ああ、僕もそれがいいと思ってたんだ。)
ところが、Elaineが見たものは…
道場で子ども相手にいい気になって大暴れしているKramer…
ちょっと、なにこれ?
ELAINE: You never said you were fighting children. This is what you used to build me up? This is where you got all that stupid katra stuff?
(ちょっと、子ども相手だなんて言わなかったじゃないの?あなたの話の根拠はこれだったの?あのkatraがどうとかって話はここから来ていたわけ??!)
ところが、さらにショックなのは…Kramerが言うには、例のkatraの話は元々は「スタートレックⅢ」から拝借してきたものなのだそうで…JerryはⅡのほうがお気に入りで、Jerryの方はSusanの両親を力づけるためにそこからのセリフをパクッたら思わぬ展開になるし(その話はこちらに)
…なんか、二人とも単なるスタートレック・フリークだったという、
元をただせば、それだけの話なのですよ。
SEINFELDの大きな魅力はその練られたセリフにあるわけです。また前向きな考え方で人生を生きるように人を励ますというのも、本来、好感をもって受け入れられることなのです。しかし、それらをまんま逆手にとってくれましたね。
とは言っても、Kramerに触発されて頑張ったElaineはどうなるのよ~~
がっくりとした表情でJerryの部屋に入ってくるElaine.
JERRY: So... did you stop by the dojo?
(で…道場に行ったの?)
ELAINE: Yep.(ええ)
JERRY: How's your confidence level?
(今の自信のレベルはどれくらい?)
ELAINE: Shot.(終わってる)
JERRY: Self-esteem?(自尊心は?)
ELAINE: Gone.(もうない)
JERRY: Doofus?(間抜けな気分?)
ELAINE: Yo.(あたり!)
JERRY: All right, so what? You put out the catalog. How bad could it be?
(なるほど、で?カタログを発行したんだろ?どんだけ悲惨なことになったの?)
Elaine、突然ソンブレロを取り出します。
JERRY: What is that?(何それ?)
ELAINE: It's the Urban Sombrero. I put it on the cover.
(アーバン・ソンブレロ。これを表紙に持ってきたの。)
JERRY: Well, nobody sees the... cover.
(いや、表紙なんて誰も見ないよ…)
これはJerryの皮肉です。
しかし、このアーバン・ソンブレロ、購入した人がいたようです…何となく、珍しい物好きのNew Yorkerのことですから、分かる気もしますよ。
後日、Elaineが地下鉄に乗っていると「荷物をまとめた」ビジネスマン風の男性が二人
MAN 1: There’s nothing unusual. Every afternoon for the last 24 years I’d shut the door to my office and sneak a little shuteye. No one was the wiser. But then my wife gets me this urban sombrero. Next thing I know, my ass is out on the street.
(いつものことだったんだよ。この24年間というもの、午後はオフィスのドアを閉めてちょっと失敬して昼寝をしていたんだ。チョロイもんさ。でも、女房がこのアーバン・ソンブレロを買ってくれて、で、気がついたらお払い箱さ。)
MAN 2: I tries one too. I woke up and found my walking papers tucked to the brim.
(俺も買ってみたんだ。で、朝起きたら、つばの部分に解雇通知がはさまってるときたもんだ。)
MAN 1: I never thought a hat would destroy my life.
(帽子で人生を棒に振るとはな…)
大都会のソンブレロは
スタートレックの台詞に鼓舞されてその気になったElaine嬢の
とびきり素敵なオススメ商品です♪
これをかぶれば
あなたも立派な「負け組」に!!
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