1980年3月29日。
ニュー・ジャージー州プレーンフィールドで行われたライブで、フランキー・ヴァリの娘、フランシーンさんが歌っている、ジャズのスタンダードナンバー“I Try”
この動画はつい先日UPされました。この4ヶ月後に彼女は亡くなっています。
画像には(これは、フランキー・ヴァリの娘さんたちのサイトからのものだと思いますが)フランシーンさんとお姉さん、そしてフランキー・ヴァリのスリー・ショットが映っています。フランシーンさんはこの写真の2週間後に亡くなったと書かれていますから、1980年夏ごろの写真なんでしょうか?「私たち3人が一緒に写真に収まったのは、これが最後だった」と紹介されているのが辛い。
JERSEY BOYSの中では、彼女はこう語られています…
「フランシーンは8歳。天使のような声。歌手になりたがっている。神のご加護を!あの子はコーヒーテーブルの上で“I Can’t Give You Anything But Love, Daddy”と歌うんだ。あんな歌は聴いたことがない」
「あの子はまだ22歳だった。歌手になりたがっていた。僕よりも声域が広かったんだ。4オクターブぐらいの声が出たのに」
で、実際に在りし日のフランシーンさんの声を聴くと…確かに素晴らしい声!血は争えません…高い声でも低い声でも、力を入れて歌っても抜いて歌っても、聴く人の心をつかむ歌になる。(ちょっと「白人離れした」珍しい声でもありますね)これ「天才シンガー」の証ですよ。(ジャロッド・スペクターの歌もそうだった)
この“I Try”のエンディングの盛り上げ部分は、人生経験とキャリアを重ねていけば、もっともっと人を感動させられる表現ができたものと思われます。ここは、まだ「若さ」が見られる。しかし、あらためて歌声を聴いていると…とにかく、惜しい人を亡くしたのだ…という思いが募ってきます。
もうひとつあります。“Street Life”
これのUPは今年の1月になっていますね。音楽関係者が過去のテープの中からフランシーンさんの歌を見つけ、Youtube上で紹介したようです。(全然関係ないけれど、アンネ・フランクの映像も最近upされたんだって?このフランシーンさんの歌声だって、ファンにしてみれば、それと変わりがないくらいに「貴重」なものでしょう)本国アメリカの往年のフランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズのファンでも、ヴァリ氏のプライベートな部分は殆ど知らず、娘のフランシーンさんの悲しい出来事などは、JBが世に出て初めて知ったと言われます。この関係者が彼女の声を紹介しようと思ったのも、JBの人気でフランシーンさんにも関心が向けられるようになったからでしょうね。しかし、この動画では、生前の彼女の姿も見ることができず、ファンはちょっと物足りなかったようです。
JBのストリーの中では、フランシーンは親に反抗的になっていきます。でも、その反抗ぶりというのも、昔の青春ドラマで、「カマってちゃん」が親にすねているような、そういう感じかな?だから、中高年の観客も違和感がないのだと思いますね。
だいたい、家を飛び出して、外泊を続けているんなら、別に家に電話することないじゃん(笑)あれは明らかに「親の様子を探りたくて」「父親がいるかどうか気になって」電話をかけてきていますよね。で、いきなり父親が出た…彼女は一瞬、電話をを切ろうとするんですよね。多くの場合は、あそこでガチャン!と切ってしまうと思うんです。(私なら、絶対に切った!…?)でも、彼女は切らない…そして言うんです「ママと話がしたいわ!」古典的ですね~(笑)これって「パパに文句があるの!」の裏返しでしょ。なんて分かりやすいの!(これと比べると、最近の日本のお子さまなんて、理解不能ですよ)彼女には、可愛いところがまだ残っているんですよ。「思いっきり、パパにすねてやるんだからっ」みたいな本心がありありと表れている。しつこいようですが、私から見ると、最近の日本のお子さまの方が、ずっと意味不明の行動が多いです!
ですから「オバサン的には」ここはそんなに寒々とするシーンじゃない。まだまだ救いの道が残っているように思えるのですが…ところが最悪の結果になってしまうのです。結局、彼女を救えなかった。ここの「無念さ」は観客の側も十分に共有できるものです。
神父はフランキーに「自分を責めてはいけません」と声をかけますが…そんな言葉も彼には「無」に等しい。
「じゃあ、誰が責めを受けるんです!?」
そしてFallen Angelの歌が始まると、フランシーンが表れます。
「お父さん、自分を責めないでね」と言葉をかけて、そして去っていくんだな…と、思って観ています、毎回。
まぁ「ベタ」と言えば「ベタ」ですが、納得のいく展開じゃないでしょうか。
今回のフランシーンさんの歌声を紹介する動画を見て、実際には、音楽活動をしておられた事実がわかって嬉しいという思いと、やはり才能のある人を失う無念さが交錯いたします。
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