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And This Is Not Elf Land

John Waters as Flasher



見つけてしまいましたよ~…ミュージカル映画HAIRSPRAY(ヘアスプレー)の冒頭で、John Waters(ジョン・ウォーターズ)先生がflasher(露出したがる人)の役でお出ましになっていらっしゃる画像。(トップの写真のことではありません。トップはJohn Waters氏の「普通の」写真でございます)

John WatersはHAIRSPRAYオリジナル映画の監督であります。悪趣味な映画を作る人として知られており、今なおカルトな人気を誇っています。

現在アメリカで大ヒット中のHAIRSPRAY

ときは1962年、Baltimore(ボルチモア)の下町でTracy(トレイシー)は目覚め、学校へ行く道すがら歌うのです…

おはよう、ボルチモア
毎日が開かれた扉
通りのドブネズミも声をかけてくれるの
「Tracy、君次第なんだよ」
だから、私にもチャンスをちょうだい


そして

隣に住んでる露出おじさんも
バーの腰かけに座ってる浮浪者も
今日一日の幸運を願ってくれている



舞台では、なんとなく挙動不審なレインコート男が出てくるだけでしたが、映画ではWaters先生がちゃんと「ポーズ」をなさるんです(笑)
オリジナル映画ではもっと「…」なんですが。


でも、凄いですね~

露出したがる人も、
浮浪者も…
Tracyはちゃんと受け容れているんです。


最近は、日本の、それも私が住んでいるような地方都市でも「不審者に気をつけろ」と言われるようになってきました。小さい子どもまでが「ふしんしゃ」なんて言葉を日常的に口にしているのを耳にすると…何ともはや…やりきれないですね。

もちろん、地域の安全は何としても守らなければなりませんが、一方では、リハビリのために散歩している人、恍惚の境地に入りかけているご老人など、「ちょっと変わった人」はすべて警戒の対象として見てしまうような…何とも世知辛い世の中になってきたものだと思います。(ま、そのあたりの見極めが容易じゃないのは分かりますが)

なんか世間話(笑)??

HAIRSPRAYの話に戻します…

Good morning Baltimore
There's the flasher who lives next door
There's the bum on his bar room stool
They wish me luck on my way to school

John Watersの作品は、とにかく「変わった人たち」への愛情がベースにあると言われています。「愛情」なんていうと何か大そうだけど…ちょっとアレな偏愛と言ったほうがいいのかもしれない。というよりも、単なる面白半分・興味本位っていうレベルなのかもしれない。

でも、それが
「どんな人も排除しない」という
理想の人間社会の姿にまで発展している…かもしれない…みたいな
というか、結果的にはそこまで行き着いてるんだろうな、
いや、行きつくきっかけなのかもしれない~
ま、どっちにしても…
何かこう…微妙なところをくすぐり、且つ満たしてくれるような…そんな面白さと感動がある作品なんですよ。

「変わった人への興味」っていうのも
これはこれでいいんじゃないでしょうか~

SEINFELD(となりのサインフェルド)のトピックの中でも書いていますが、私も、個人的には、いろんな人の個性やユニークな言動が「面白いな」と感じれば、どんどん面白がればいいと思っています。それが様々な人の個性を尊重することでもあり、また、ときには、それは目に見えないしがらみから人を解き放ってあげることにつながると思うからです。

そう言えば、THE PRODUCERS(プロデューサーズ)の中でも、Leoは毛布の端きれを取り上げられるとパニックを起こしてしまいました。あの場面では映画館内はちょっと冷えた空気になりました。「ああいう場面で笑う人の良識を疑う」と言う人もいらっしゃいましたが…

でも、私はいつも思う

「ああいう場面で笑ってはいけない」と感じる人の「良識」って?


そういう「良識」って
Tracyが屈託なく歌うような
あんな世界に近づけてくれるでしょうか?

コメント一覧

master of my domain
おお、美都様…体調回復されましたか。さすが、お若い(笑)!

時々「見た目がユニーク」な人たち(障害があったりして)で構成されてる劇団のパフォーマンスに接することがあるんですが、彼らは「笑って欲しくて」真剣にやっていても、お客さんが笑ってくれないのが悩みだそうです。私も、可笑しいものは可笑しいと笑えるのが、ノーマルな状態な(というか、ノーマルに近い)心のあり方だと思うんですけど…
本当に、美都様のような感性の人ばかりであれば、この世の中はもっと呼吸しやすくなると思いますよ。
美都
露出したがる…。
今度の映画版、監督御自ら、ご自分を露出させるだけでなくご自身まで露出なさってらっしゃるんですか!?(日本語って便利/笑)
実は劇場まで行くつもりはなかったんですが、俄然、大画面で観たくなりましたよ!

ところで、レオのブランケット依存っぷりを笑う事に対するそんな繊細な意見があるなんて、今の今まで知りませんでしたよ。
確かに、実際にそういう症状を持っている方の事を思えば不謹慎だと言えない事もないんですが。
そもそも相手はコメディ映画ですから、笑ってもらってナンボなんですけども…。
いやはや、世の中には真面目な方がいらっしゃるものですね。
私のような不真面目な人間には考えもつかない視点で、ものすごく興味深いですよ。
今度、その視点であの映画を見直してみたいくらいです。
きっと見事なコントが出来上がるでしょう(笑)

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