見出し画像

And This Is Not Elf Land

Some Are Born Great

「禁断症状」につき、いろいろ妄想してみる…


とりあえず、これはJERSEY BOYSのカテゴリーに入っていますので、ヨロシクです…

ついでに、ときどきTSエリオットの“objective correlative”で検索して本ブログにお越しになる方にたいしては、今、この場で「ごめんなさい」しておきますね~…おそらく、検索してお越しになった方の目的に適うようなことはまったく書いてないですし(汗)こちらの話


今回も、広げている風呂敷の大きさの割には、大したこと書いてませんので、あしからず。


とりあえず、JB第2幕Winterのパートね

フランキーの傍白で始まります

「トミーは、僕たちは知り合ったころから親友だったように言うだろうけど、実際には、あいつは、一回分のギャラから、自分が150ドルを取りながら、僕には12ドルしか払ってくれなかった。そう、トミーなんて所詮、その程度の奴さ。」

「僕は、古臭い世界の出なんだ。そこでは、みんな一緒くた…それは約束事でもある。まるで、鋼鉄の足かせ…だから、みんな出自を忘れることはない。」

(そして、トーンが変わる…バックの音楽の調子とともに。いいシーンだなぁ~…はいはい)

「それよりも、気になるのはニックのことだ。彼は、本物だった…クインシー・ジョーンズやドン・コスタのようになれたかもしれなかったのに。でも、ヤツは行ってしまった。僕たちは上手くいっていたのに。分からない…」

で、ここからです。原文も書いときます~

May be it’s like the guy said : Some are born great. Some have greatness thrust upon them. And some achieve greatness – then f*** it up!
(これというのは、あの人が口にしたようなことなのかもしれない。「高みに生まれる人もいれば、高みに押し上げられる人もいる。そして、高みに達した途端に…しくじる者もいる」)



お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこれ、シェイクスピアの『十二夜』の中の有名な台詞から来ています。(ですから、“the guy”というのは、シェイクスピアのことなのでしょう)


『十二夜』の内容に少し触れておきますと、オリビア姫に仕える召使のマルボーリオは、偏屈で「ピューリタン的」なところがある。そして、それが気に入らない家政婦のマライヤたちは悪戯を企てます。オリビア姫の筆跡をまねてマルボーリオ宛の偽恋文を書き、マルボーリオに恥をかかせようとするのです。

これはまた、マルボーリオは常日ごろからオリビア姫に思慕の情を抱いていることに気付いていたからこそ、思いついた企てでもありました。しかし、マルボーリオにとっては、これは「身分違いの恋」にほかなりません。そこで「偽恋文」では、そこんとこを突いているわけです。



で…久しぶりに『十二夜』を広げて、「偽恋文」の内容を確認してみたら…


In my stars I am above thee; but be not afraid of greatness: some are born great, some achieve greatness, and some have greatness thrust upon 'em. Thy Fates open their hands;
(星の元においては、私はあなたの上にありますが、身分を恐れてはいけません。高みに生まれるものもいれば、高みに達する人もいれば、高みに押し上げられる人もいます。あなたの運命は両手を広げているのです…)




あれ?
「順番が違う」(?)

わたしは、すっかり、このフランキーの傍白の順番で頭に入っていましたがね(汗)

「高みに生まれる」これが一番目に来るのは当然だとして…JBでは、『十二夜』と同じく、「高みに達し」「高みに押し上げられる」にはなっていないのですね…ま、たしかに「ちょっと違う」気はしますが。私の中では、JBの「順番」のように「(チャンスによって)高みに押し上げられ」⇒「(才能と努力によって)高みに達し」が、あたりまえのように、頭に入っていましたし、『十二夜』もこの順番だったんだろうと思いこんでいました。



『十二夜』の中では、この偽恋文の内容を知ったオリビア姫の反応があります。

-高みに生まれる人もいれば- 「そうよね」
-高みに達する人もいる- 「えっ?」
-高みに押し上げられる人もいる- 「はぁ?どうかしていらっしゃるんじゃなくて!?」

…というものになっています。
舞台となっている時代を考えれば、この反応は当然でありましょう。で、JBの中で、この有名な台詞を「アメリカン・ドリーム・アレンジ」にして…で、最後に「落として」いるわけで、ここでドッと笑いが起きるのですよ。本当に上手いですね~

というか、これはフランキーの言葉として発せられていることを考えれば、(日本よりは)よく知られているであろう、このシェイクスピア劇の台詞…学校の授業などで取り上げられたものを「ジャージ・スタイル」で捩って面白がった、という体験に基づいているという解釈もできるでしょうか?そう考えれば、後に続く“Thy Fates open their hands”は“then f*** it up”と語感が似ている(?)…なんて言ったら、ちょっと妄想が過ぎますね(笑)


とにかく、JERSEY BOYSっていうのは、本当に脚本が素晴らしいんです。この夏にNYCに行かれる方は、ぜひご覧になってくださいませ。一時よりは、チケットは取りやすくなっています。とにかく、これは台詞が分かってナンボ、のショーだと思います。(もちろん、音楽も素晴らしいですけど)

私としてはですね~、英語もある程度分かって、演劇もお好きな方にこそ、ご覧になっていただきたい。特にマチネ(はいはい、強制終了!!!)

何だかんだいっても、
 一番観に行きたいのは私なんです(!)
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「JERSEY BOYS (舞台ミュージカル)」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2021年
2020年
人気記事