併結運転、連結運転など呼び方は若干違うこともありますが、ここでは「運転台のある車両同士の連結」を併結走行と呼ぶことにします。
↑近鉄AceとACEの併結
↑681系と683系の併結
↑JRキハ85系と名鉄8500系の併結
↑脱線しやすいE6とE5(H5)の併結
↑223系と225系の併結運転
鉄道ファンにとっては、駅での列車の連結、切り離しはとても興味深いものだと思います。同じ種類の列車同士もあれば、違う種類の列車との連結もあります。
これをNゲージで実現するのも大変ロマンのあることです。
今回はNゲージにおける併結走行の問題点や難しい点を紹介します。
↑近鉄AceとACEの併結
・カプラーが合わない
現実の鉄道で併結走行している車両の多くは、Nゲージで発売される時も併結走行を想定して、運転台側にもカプラーがついていることが多いです。
ならば、それで解決か?と思えば簡単にはいきません。
まず、同じメーカーから販売された併結列車でも、発売された時期でカプラーが異なることが多くあります。そして、もちろん異なるメーカーから発売された車両はカプラー自体も異なっています。
よくあるのは、KATOとTOMIX車両の併結ができないことです。
グリーンマックス車両はTOMIXのカプラーを使用しているので、TOMIX車両との併結は簡単だったりもします。
マイクロエース車両はTOMIXカプラーを使用しているものもありますが、独自のカプラーを使用しているものも多く、やはり併結は難しめです。
カプラーが合わない場合は部品の交換や簡単な加工でうまくいく場合もありますが、初心者向けではないと言えます。
↑681系と683系の併結
・車両間隔が短すぎる
カプラー同士が無事繋がったとしても安心はできません。
併結可能と記載されている車両でも、レイアウトによっては車両同士が干渉し、脱線や停止することがあります。
先頭車両は中間車と異なり、少し出っ張った形状していたり、併結する先頭車両同士が異なると、どうしても車間間隔がうまく釣り合わないことがあります。
↑JRキハ85系と名鉄8500系の併結
・モーターの出力が合わない
これが個人的に一番厄介な問題だと考えています。なんとか連結するところまで行ったとして、2つの列車のモーターの性能差で速度が異なると、それだけで脱線に繋がることが多くあります。
他社間なら仕方ないとも思えますが、同一メーカーで併結を想定しているものでも場合により脱線が発生するのが厄介な点です。
↑脱線しやすいE6とE5(H5)の併結
上記写真の新幹線の例では、実際に東北新幹線・秋田新幹線を走っていて、当然これを買う人なら併結を想定するので、製品も併結できるようになっています。
しかし、この場合は複数の問題点が重なって、非常に脱線しやすいです。
まず、E5がフル規格の新幹線、E6が在来線規格のミニ新幹線という点です。
NゲージでもE5の方が大きくて長く、モーターもパワーを要します。一方のE6は在来線車両と同じ小型で短く、編成も短いのでモーターの負担も少ないです。
この2者が併結運転をすると、明らかにモーターの速度差が生まれます。E5を先頭にした場合、後ろのE6の方が早いので、E5の後尾車が後ろから押される形で脱線します。
ではE6を先頭にした場合、E6の方が早いのでE5を引っ張るような形になりますが、E5の方が重いので、E6の後尾車は前後に引っ張られる形で浮き上がり脱線します。
このように、併結は魅力ある反面、大きなハードルと問題点があることが分かります。
・問題を解消する工夫
KATOやTOMIXの製品では、併結を前提にした車両の場合は、動力車にゴムタイヤがないことがあります。これはゴムタイヤによる摩擦を減らし、併結車両同士の負担を減らす効果が見込まれます。
根本解決にはなりませんが、併結する車両のどちらかにはモーター車を入れない方法もあります。
TOMIXやグリーマックスでは増結という形で、併結する車両側にはモーター車を搭載してないことがあります。
単独での走行は不可能になりますが、圧倒的に脱線は少なくなります。
このように、やや上級者向けでハードルの高い遊び方とはなりますが、その分リアリティや興奮も大きいです。
興味のある方はぜひ試行錯誤をして、併結走行を楽しんでもらいたいです。
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