「社会福祉士」の独り言Ⅱ-日々の雑感

福祉に関わる事柄の他、日々感じたことを書き綴っていきます。

25年前の事件に関わる3冊の本

2019-06-12 07:36:15 | 読書

今月27日は、かの宗教団体が最初に起こした毒ガス散布事件から25年。翌年1995年3月20日には、都内地下鉄で起こす。それらに関わり、以下を読了。河野義行著『「疑惑」は晴れようとも-松本サリン事件の犯人とされた私』文春文庫、2001.4。自宅で事件に巻き込まれ、最初の通報者であり、家族が被害にあったのにも関わらず被疑者とされてしまう。著書は、事件当日からのメモ、日記に拠る手記をまとめたもの。佐々木るり子著『家族-松本サリン事件・河野さん一家が辿った「深い傷」そして「再生」』小学館文庫、2002.4。事件後8年にわたる河野さん夫妻、3人の子供さんの進学、就職の歩みのドキュメント。サリンによる心身の被害に重ねて、警察捜査、マスコミの予断による報道。平穏な日常生活が、突然、崩されてしまう。その時に、家族がどう向き合ったのか。自然災害もさることながら、改めて考えさせられた。さかはらあつし著『サリンとおはぎ―扉は開くまで叩き続けろ』講談社2010.3。書名となっている二つの取り合わせが、何やらわからなかったが、サリンは、著者が地下鉄での通勤途中に、目の前で遭遇した事件であり、“おはぎ(Bean Cake)”はアメリカ留学中に制作に関わった映画の題名。急逝した高校時代の親友と約束した「京大進学、MBA取得、ハリウッド」は、事件の後遺症に悩まされながらも、まさに扉を開くまで叩き続け実現していく。本の表紙のイラストは、ゆるゆるした感じだが、そのイメージとは全く違った内容だった。「もう駄目だと諦めそうになるから何かが起こるのではない。もう駄目だと思うところまでやらなければ何も起こらない、ということなのだ。」(文中より)

 



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