評価5
再読(前回=学生時代)。
七瀬シリーズ完結編。
「七瀬ふたたび」で超能力者抹殺集団によって殺害された七瀬が高校の事務職員として(何故か)復活して、その高校で硬式ボールが空中で破裂するという出来事に遭遇するところから物語が始まる。そのボールは2年生の香川智広目掛けて飛んでいたもので、これ以前にも智広の周囲で不思議な出来事が頻発したことを知った七瀬は彼のことを調べ始めるのだった。智広の母の失踪を知ると同時に、なんらかの「意志」がその周囲に漂っている気配を感じた七瀬はただならぬ存在に近づき始めていた。
ノリオ、ヘンリー、恒夫、藤子も復活してめでたしめでたしと思ったのもつかの間の大どんでん返しに驚愕!最後の最後で七瀬復活の謎が明らかにされる。
全宇宙を司る超絶対能力者の存在とそれが与えてくれる仮想世界。
シリーズ第一作「家族八景」からついに宇宙的なスケールまで膨張した筒井康隆ワールドに感嘆!
ある意味七瀬の処女が守られて良かった。
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